私はよく、食育の講演会で、子どもたち相手に「無果汁ジュース」を作る実演を行います。その作り方というのは、こうです。
「香料の力」は本当にすごい
「レモンジュース」「メロンジュース」の2種類を作るとして、まず水に「合成着色料」を溶かし入れて、「色水」を作ります。レモンジュースは「黄色4号」、メロンジュースは「青色1号」と「黄色4号」の着色料を入れて混ぜて、きれいな緑色を出します。
次にさわやかな酸味を出すために「酸味料」、変色防止に加えて栄養たっぷりのイメージを謳うために「ビタミンC」、それに「本物らしい香り」をつけるために「香料」を投入。
そこに、甘さをつけるために「ぶどう糖果糖液糖」を1割ほど混ぜれば「レモンジュース」「メロンジュース」の完成です。この際、どのぐらいの糖質が入っているかについては「日本人の体を壊す『隠れ糖質』とりすぎの深刻盲点」を参照してください。
とろみを出すために「増粘多糖類」を入れることもあり、ほかにも添加物を入れる場合もあるのですが、とりあえずこれでジュースのベースは完成です。
このジュース、レモンもメロンも、果汁など1滴も入っていないのに、ちゃんと「レモンの味」「メロンの味」がします。
子どもたちに試飲させると、みんな最初は恐る恐るですが、一口飲むと「いつも飲んでいるジュースの味だ!」「おいしい!」という声が上がります。
このジュースのポイントは「香料」です。というのも、香料を入れ間違えると、「大混乱のもと」になるからです。レモンジュースが「メロンの味」がして、メロンジュースなのに「レモンの味」がする……などということになってしまいます。
逆を言えば、そのぐらい「香料(香り)」は味の決め手になっているということです。
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