ボーイスカウト以上になると、初級、2級、1級、そして菊スカウト章、隼スカウト章、富士スカウト章と階級が上がっていくしくみもあります。級が上がるほど、音楽や絵画といった芸術活動や、乗馬などへの造詣も求められます。
古代中国でリーダーに求められた「六芸」の礼(道徳教育)、楽(音楽)、射(弓術)、御(馬車を操る技術)、書(文学)、数(算数)にも似ています。かつては富士章までいくと、それだけでソニーやホンダに就職できるとまでいわれていました。
親子ともに小学校の枠を超えた仲間ができる
桜が散りハナミズキが咲き誇るころ、埼玉県の川口第19団のカブスカウト隊の活動を見学しました。舞台は、住宅街にある雑木林をちょっと手入れしただけの小さな公園です。
制服を着た大人の「リーダー」が7人いました。専門の研修を受けていますが、あくまでも地域のボランティアです。子どもの参加者は約30人。付き添いの保護者もほぼ同数。周辺のいろいろな小学校から参加しています。親子ともに、小学校の枠を超えた仲間ができるのも魅力です。
体験者も2人。「主体性とか協調性とかを学べるよとママ友から聞いて、とてもいいことだと思ったので、『行ってみない?』と娘を誘ってみました」と体験に来た母親は言います。
月2〜3回の活動は主に日曜日。カブスカウトの制服は一式で1万円強。月活動費は団ごとに異なりますが、川口第19団の場合4000円。入団金と新規加盟員登録料として入団時に8000円が必要です。
その日のタイムテーブルを見せてもらうと、9時の集合から12時30分の解散まで、いつ誰が何をするのかが5分単位で予定されていました。思った以上に緻密な計画に基づいて活動が行われていることがわかります。
ちかいとおきてと制服で共同体意識を育む
年度はじまりということで、ビーバー隊から上がってきた子どもたちの入隊式がありました。一人一人「ぼくは、わたしは、まじめにしっかりやります。カブスカウト隊のさだめを守ります」と宣誓します。
式に際しては大人のリーダーのサインに従ってきれいに整列して、制服の乱れも直します。制服には、友情、自信、信頼の3つの意味があると、隊長はみんなに説明します。気温は14度でちょっと肌寒いくらいでしたが、式の間はみんな半袖の制服姿です。「いまだけでいいからしっかりしましょう」とリーダーが促します。
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