スーツは「テーラード」で、ずっと愉しくなる

プロが考える「男にとってのスーツ」とは?

有田 僕も昔はザ・ブリティッシュというイメージ作りとしてチョークストライプのスーツを着ていたのですが、今振り返ると笑っちゃうんですよね。一番大切なのはカッコいいスーツを着ることではなくて、人間そのものがカッコよくなることです。中身がカッコよくないと、何を着ても全然カッコよくない。シンプルな紺無地スーツが似合うというのは、シンプルな紺無地スーツを着てもカッコいい大人の男だということ。自分でも目指したいところです。

乗秀 僕はもうコーディネートなんてしないです。スーツなら上下がすぐに決まるので、あとはシャツを着るかTシャツを着るかだけ。夏はショーツのセットアップスーツに、エスパドリーユ。グルカショーツのセットアップとかも、色気があって好きなんですが、シアサッカーのスーツにボーダーTシャツだったり、もうなんか無茶苦茶でもいいやって。

松尾 コーディネートしないことのカッコ良さというのもありますよね。おしゃれな人って、オントレンドな格好をしているわけじゃないんです。THE RAKE JAPANでは英国の王族の方の特集を企画しているのですが、その方は、ものすごく太いネクタイをして、ものすごく衿腰の高いシャツを着ている。昔から、ずっとそうなんです。トレンドとは外れているけれども、その姿がじつにカッコいい。自分自身を確立しているからカッコいいんです。

乗秀 僕はここ何年か、ペグトップのパンツを合わせたスーツをコレクションに入れています。それは流行とは違うけれど、いつも新鮮に映るんです。スーツはミリ単位でこだわりを表現しますよね。そこが難しいけれど、面白いところなので。

有田 流行のものを買うだけではなく、作りに行こうかなっていうおしゃれもあると思うんです。スーツを買うのではなく、スーツを仕立てる。そこに遊び心が生まれると思うから。

日本はフォーマルを着ていく場所が少ない

松尾 着ていく場所も必要ですよね。先ほどのレストランやバーの話もそうですが、スーツやフォーマルを着ていく場所が日本は少ないように思います。結婚式ぐらいでしょうか。ドレスコード指定のパーティとか、もっとあってもいいですよね。そういうところにおしゃれしていくことで、男が磨かれていくと思うんです。英国で実際に遭遇したのですが、労働組合のパーティは、ブラックタイ着用だったことにびっくりしました。これじゃ日本の男は勝てません。

乗秀 おしゃれしていく場所に、いかにハズしていくかという愉しみ方もありますよ。僕だったら、わざと古着を着ていくかもしれない。

松尾 そういうことが学べるのも、スーツを着る機会があってこそ。ハズしというのはルールを知っていないとできませんから。

有田 僕ならタキシードよりもっと格上があることを知ってもらうために、パーティにはフロックコートで行きたいな。そういう大人の遊び場が、もっともっと増えるといいですよね。

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