損小利大。これは投資家が勝つためのルールのようなものです。損をできるだけ小さくして、利益を拡大することを追求するべきですが、9割の投資家が残念ながらその逆をしてしまいます。この原因こそ、損失回避性バイアスにあるわけです。
いつか下げ止まると思って様子を見ていると、そのうちにもっと悪材料が出て下がり始める。そのとき、ロスカットできずに塩漬けにしてしまうのは、あなたの意識力の問題ではなく、損を確定するダメージが利益のそれを上回っているからにほかならないのです。
負けの根本的な原因は自分の心理状態にある
相場の負けを、相場で取り返そうとする行動を「リベンジ投資」と呼びます。リベンジ投資を行うような心理状態でトレードすることは、最も危険です。
冷静な判断力を100%失っている可能性が高いでしょう。計器や操縦桿なしで、飛行機を操縦するようなものです。冷静な判断がいっさいできない状態のまま空を飛べば、ちょっとしたリスクを回避することすら難しいでしょう。このような危険な状態でトレードを繰り返せば、やがてあなたは破産してしまうのがオチです。
では、こうした心理状態を導き出すのは、相場の読みやテクニカル分析の甘さ、ファンダメンタルズ分析の結果でしょうか。いえ、すべてあなたの心理状態が引き起こしたことです。自分のメンタルをコントロールできていないことが、失敗の要因になっていることに、早く気がつかなければなりません。
丁寧に財務分析をしても、繰り返しテクニカル指数を検証しても、結局のところ負けの根本的な原因は自分の心理状態にあるからです。
勝っているときに、テクニカル分析や財務分析に目を向けるのはいいでしょう。しかし、負け続けているときにまで、まだまだ分析が足りていないからだと考えてしまう個人投資家があまりにも多いことを、私は大変危惧しています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら