株価が下がると、このまま下がり続けたらどうしよう、という不安が大きくなる。この心理は初心者でも経験豊富な個人投資家でも変わりません。兼業投資家として総資産5憶円を超える上岡正明氏は、どんな相場でも勝ち続けるためには、投資スキルや情報よりも、メンタルが重要だと言う。その上岡氏が、自身の経験とトレード調査をもとに「投資家心理」を重視する投資術をまとめた『株メンタル:トップ3%投資家の最強ソリューション』を上梓し、発売早々重版になるなど、話題を呼んでいる。今回は、約20万人のチャンネル登録者を誇る投資系YouTuberでもある上岡氏が「多くの個人投資家が陥りやすい投資家心理」について解説する。
同じ金額でも利益より損失のほうが大きく感じる
投資家は負けが込んでくると、ついマーケットを打ち負かしてやりたい、などといった誤った行動をし始めます。
相場が、あなたにそうさせるのですか。いえいえ、違います。「損失回避性バイアス」によって、あなたが心を制御できずに、そうした行動を誘発してしまうわけです。
損失回避性バイアスは、行動ファイナンスの中で最も有名な理論の1つです。人は損をすることを異常に嫌う、という心理を説明したものです。
損することが好きな人など、この世の中にはほとんどいません。その結果、利益が出ている局面では確実に利益を積み上げていくことを好み、損失が出ている局面ではロスカットを遠ざけたり、逆にナンピンなど大きな賭けに出ようとする傾向が強くなります。
たとえば、順調なうちは堅実に小さく投資をして、着実に利益を積み上げていたとします。しかし、一度大きく損をしてしまうと、その損失を取り戻そうと、普段慎重な人でも信じられないような大胆な行動で一か八かの賭けに出やすくなります。
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