王座奪還へ、新型シエンタ対フリード徹底比較 新型シエンタ投入でトヨタが巻き返しを図る

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3列目シート格納
シエンタ(3列シート車)で、3列目シートを格納した状態(写真:トヨタ自動車)

ただし、シエンタとフリードでは、3列目シートの格納方法に違いがある。シエンタでは、2列目シート下に格納する方式だ。操作は、まず2列目シートを最前へスライドし、回転させながら背もたれと座面を折りたたんだ後、3列目シートの背もたれを倒し前に送り込む。2名乗車でより大きな荷物を積みたい場合は、そのままで完了だ(2列目にはロック機構もある)。また、4名乗車で荷室を広くしたいときは、2列目シートを元に戻せば3列目シートを下に格納でき、荷室を広げることができる。

一方、フリードの3列シート車は、3列目シートを左右に跳ね上げ、ベルトで固定するタイプだ。3列目シートが荷室後方に残ることで、シエンタほど広くは使えない。また、7人乗りの2列目ベンチシート仕様車は、2列目の背もたれを折りたたんで前に倒すことができるが、6人乗り2列目キャプテンシート仕様は、折りたためず、前方へスライドさせることができるだけだ。荷物の大きさや形状によっても変わるだろうが、より広く荷室を使えるという点では、シエンタに軍配が上がるだろう。

2列シート車のシートアレンジ

フラットラゲージモード
シエンタ(2列シート車)のフラットラゲージモード(写真:トヨタ自動車)

より荷室を広く使えるという点では、両車とも5人乗り2列シート車のほうがいい。シエンタでは、6:4分割式2列目ベンチシートの背もたれを前に倒せば、比較的フラットで広い荷室スペースを実現する。

また、フリードの場合は、2列目の座面を前方に跳ね上げたあと、背もたれを前に倒すことで、やはり広くて比較的フラットな荷室スペースとなる。

ほかにも両車では、2列目の助手席側のみ倒せば長尺物が積めるなど、豊富なアレンジが可能だ。とくに新型シエンタの2列シート車では、荷室床面や2列目シートのチルトダウン構造を見直すことで、格納時にシート背面の高さを下げている。これにより、荷室高を50mm(従来モデル比)拡大し、さらに積載性を向上しているという。

ちなみにフリード2列シート車のテールゲート開口部は、高さ1255mmというロングテールゲートを採用。また、地上から開口部下端までの高さが335mmという超低底フロアだ(シエンタ2列シート車は開口部の高さ1070mm、荷室フロア高565mm)。これにより、大きなサイズや重い荷物を、あまり持ち上げずに積み込むことができる。

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