フリードがシエンタより売れるようになった訳

グレード毎に異なるキャラクター設定の妙

写真左上がホンダ「フリード」、写真右下がトヨタ「シエンタ」(写真:ホンダ/トヨタ)

トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」は、コンパクト・ミニバンというジャンルに分類される自動車だ。現行型はシエンタが2015年、フリードは2016年に発売、いずれも国内市場に導入されて以来、つねに新車販売台数で上位に入るロングセラーの売れ筋モデルだ。

各車の人気は、コロナ禍の影響が大きかった2020年もある程度は健在だったが、どちらも販売台数自体は減少している。ただし、前年比で見るとフリードの健闘振りが目立つ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

2019年1月~12月の新車販売台数ランキングでは、シエンタは3位で合計11万880台を販売。一方のフリードは9位で合計8万5596台だったので、販売台数では2万5000台以上シエンタのほうが売れていた。ところが、2020年同期間のランキングでは、シエンタの順位は8位、合計7万2689台に減退。一方のフリードは7位、合計7万6283台となり、逆に3600台近い差を付けてライバルのシエンタを上回ったのだ。

ここでは、2020年にフリードがどうして販売台数で健闘したのか、各車を比較しながら検証してみる。

フリードとシエンタのプロフィール

シエンタとフリードは、いずれも最大7人乗りが可能な3列シート仕様を用意し、日本の道路事情にマッチした誰でも運転しやすい小柄な車体などで、ファミリー層を中心に大きな支持を受けているモデルだ。ミニバンと言えば、かつてはトヨタ「エスティマ」やホンダ「オデッセイ」「ステップワゴン」、日産「エルグランド」といった中・大型車が主力だった。だが、2003年に初代シエンタが発売され大ヒットを記録すると、少子化の影響などによる自家用車のダウンサイジング化が進んだこともあり、「コンパクト・ミニバン」というジャンルを確立。2008年に初代モデルが発売されたフリードとともに、国内の小型ミニバン市場を牽引してきた。

親しみやすいスタイルと、スライドドアでファミリーユースに最適なコンパクト・ミニバンというジャンルを確立したシエンタ(写真:トヨタ)

現行のシエンタは、前述のとおり、2015年発売の2代目だが、2018年9月のマイナーチェンジで内外装を一新。現在のアクティブ感と親しみやすさを両立したスタイルに生まれ変わった。

また、同時に従来の3列シート車(6/7人乗り)に加え、5人乗り2列シート車の「シエンタ ファンベース」も設定。近年のアウトドアブームなどに対応し、荷室スペースを広げたことで、キャンプ道具などの大きな荷物や車中泊にも対応した仕様だ。いずれの仕様にもラインナップには1.5Lのガソリン車とハイブリッド車を用意。2WD(FF)と4WDが設定されている。

次ページそれぞれの特徴から違いを分析する
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 精神医療を問う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT