ホンダ「ステップワゴン」。2015年4月に登場した現行型ではや5世代目となるわけだが、思えばこのクルマは、これまでなかなかドラスティックな変化を遂げてきたものだ。
日本のワンボックスの主流を覆すデザインだった
22年前に登場するや大ヒット。それまでの日本のワンボックス(1BOX)車は、エンジンを座席の下に置いて後輪駆動とする「キャブオーバー」と呼ばれるタイプが主流だった。対して初代ステップワゴンは、ワンボックス車のように四隅まで切り立った車体形状を維持しながらも、車体前部(フロント)にエンジンを配置して前輪を駆動する「FF(フロントエンジン・フロントドライブ)」方式の採用により実現した低いフロアと広大な車内空間が受けて大いに人気を博し、その後のホンダの躍進を支える車種の1つとなった。
箱型ミニバン人気の火付け役となった初代から2代目にかけてはキープコンセプトだったところ、3代目ではいきなり「低床」と「低全高」を前面に打ち出して走行性能の高さをアピールした。デザインもガラリと変わったかと思えば、4代目では車高を再び高めて普遍的なミニバンに回帰した。
ところが現行の5代目はかつてない特徴的なスタイリングとなり、さらには「わくわくゲート」のように独創的なアイデアまで盛り込んだチャレンジングなミニバンになったのは、「ホンダ『ステップワゴン』大胆変身に託す真意」(2015年6月16日配信)でもお伝えしたとおりだ。
そんな歴代ステップワゴンの販売台数を振り返ってみよう
2代目(2001年4月~2005年4月)―― 29万1946台(5958台/月)
3代目(2005年5月~2009年9月)―― 26万9332台(5081台/月)
4代目(2009年10月~2015年3月)―― 32万5056台(4925台/月)
そして5代目(2015年4月~)は2018年2月末時点で累計15万6172台、月販平均4593台だ。数字を見ると、いかに初代が売れたかをあらためて思い知るわけだが、代を重ねるごとに右肩下がりなのが気になるところ。とりわけ現行型がやや苦戦しているのは事実だ。
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