当初は月販目標台数の5000台を超える月もあったものの、いささか勢いがなく、弟分の「フリード」が2016年9月にモデルチェンジし、月販目標の6000台をコンスタントに大幅に上回る勢いを見せる一方でステップワゴンは落ち込み、大幅値引きでなんとかフリードにもっていかれるところを食い止めているような状況だった。
競合車はどうだろうか? 2017年の暦年の販売台数は、トヨタ自動車の「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」3兄弟は合計で18万8711台、日産自動車「セレナ」は10~11月に出荷停止だったものの8万4433台。参考までに弟分のフリードは10万4405台という中で、ステップワゴンは4万6457台にとどまった。
ただし、同年9月のマイナーチェンジ以降、状況は好転している。年半ばには3000台を切る状態となっていたところ、9月以降は大幅に伸ばして月販目標の5000台前後まで挽回した。
今回のマイナーチェンジが販売増につながった要因は大きく2つ挙げられるが、1つは言うまでもなくデザインだ。
メッキの使用をあえて控え、時間耐久性のあるシンプルなフェイスとしたという現行初期型だったが、特徴的なサイドやリアに対し、フロントはやや弱い印象もなくはなかった。それが今回のマイナーチェンジで今どきのミニバンのトレンドに即した押し出し感のあるフェイスになった。
実際にもユーザー調査によると購入理由の1位がフロントデザインとなっており、特に従来型のユーザーから好評で、多くの代替につながったという。
待ったかいがあったハイブリッド車
もう1つはハイブリッドの追加だ。
そのうち出ると言われていて、ようやくそのときが来たわけだが、ホンダとしてもハイブリッドの販売比率は30%いくかどうかと見込まれていたところ、これまで高い月では半分近くにも達し、現状は平均で40%超と高く推移し、一部バックオーダーを抱えているほどとなっているという。やはりハイブリッドの追加がステップワゴンにとって強力なカンフル剤になったことには違いない。
ホンダは搭載するクルマの性格や車格に合わせて3タイプのハイブリッドシステムを用意しており、ステップワゴンに与えられたのは弟分のフリードとは異なり上級の「オデッセイ」と共通の2モーターによる「i-MMD」というシステムとなる。
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