トヨタ「アル・ヴェル」改良で何が変わったか 独走の高級ミニバン、乗ってわかった進化

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アル・ヴェルの強さが圧倒的な理由は……(写真はトヨタのサイトより)

アル・ヴェルが高級ミニバン市場で独走

トヨタ自動車の高級ミニバン「アルファード」「ヴェルファイア」(アル・ヴェル)。全長約4.9m×幅1.85m×高さ約1.9mという背の高い大柄な車体のボディに加えて、押し出しの強いフロントマスクや広々とした室内、豪華な内装などを備えるこの兄弟車が、このクラスの高級ミニバン市場で独走態勢を築いている。

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2017年(1~12月)、アルファードは日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめている乗用車ブランド通称名別ランキング(軽自動車除く)で25位となる4万1923台、ヴェルファイアは同22位の4万6757台を販売した。2車種を合計すると実質的には10位に相当する。コンセプトの近い日産自動車「エルグランド」は8068台で49位、ホンダの大型ミニバンとして最も高価な「オデッセイ」も2万0832台で34位だったことを考えると、アル・ヴェルの強さは圧倒的だ。

現在、アル・ヴェルともに通常モデルの納期は3~4カ月、高級バージョンの「Executive Lounge」は5~6カ月程度かかるという。アル・ヴェルはもっとも手軽なグレードで見積もってもざっと総額400万円、売れ筋なら同500万円も下らない高額車両としては、かなり売れていると言っていいだろう。

直近では2015年に登場した現行モデル(3代目アルファード、2代目ヴェルファイア)が、昨年12月25日にマイナーチェンジ(一部改良)を発表。今年1月8日に発売となって1カ月足らずの1月21日時点での受注台数は、アルファードが約1万4000台、ヴェルファイア約1万1000台と、合計約2万5000台に達した。

「計画の倍近くで驚いた」。新型アル・ヴェルの開発責任者を務めた吉岡研一主査は明かす。今回のマイナーチェンジでは先進安全装備が付いたのに加え、各部の仕様向上などによって魅力が増した。

 

加えてアル・ヴェルが売れている要因の一つと考えられるのが、中古車として手放す時点での価格が他車と比べてあまり落ちないことだという。新車で買って3年後にオークションへ出したとすると、アルファードは新車価格の87% ヴェルファイアは同80%ぐらいで取引される。

国内にしっかりと中古車市場が存在するのはもちろん、東南アジアや中国など海外でも中古のアル・ヴェルが飛ぶように売れていることも挙げられる。そこでは「グレーインポーター」と呼ばれる正規ではない現地の並行輸入業者の存在も小さくないわけだが、いずれにしても中古車の引き合いが強いことには違いない。

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