日産自動車のサブブランド「NISMO(ニスモ)」と「AUTECH(オーテック)」。どちらも日産グループの関連会社だ。
「NISMO」は、日産のモータースポーツ活動や、そのノウハウを活かしたチューニングパーツの開発などに携わるニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの通称であり、「AUTECH」はもともと日産の少量限定生産車を含む特装車および部用品を手掛ける会社としてスタートしたオーテックジャパンに由来することは、自動車に少しでも詳しければご存じだろう。なお、本稿ではブランドを指す場合を「NISMO」と「AUTECH」、会社を指す場合を「ニスモ」と「オーテック」と表記する。
「NISMO」と「AUTECH」を2枚看板に
少し前の話となるが、昨年秋、日産は日本国内の「NISMO」ロードカーラインナップの拡充と、新たなスポーティサブブランド「AUTECH」の投入を発表した。
両社とも過去に自前のコンバージョン車をなんらかの形で世に送り出してきた実績があるのだが、それとは別に日産本体の商品ラインアップとして、「NISMO」と「AUTECH」を2枚看板として育てていくことを宣言した格好である。
「NISMO」ロードカーについては一足先に2013年に日産内で始動したニスモ・ビジネス・オフィスという部署により、「ジュークNISMO」を皮切りに、これまで日本市場向けには、「GT-R」「フェアレディZ」「ノート」「マーチ」、直近の「セレナ」など6車種を販売してきた。
一方のオーテックは、これまでは「AUTECH」ではなく、「ライダー」「アクシス」「モード・プレミア」「ボレロ」などの名称で量産車ベースのコンバージョン車を日産のカタログモデルとしてラインアップしてきた。今後はそれが「AUTECH」に置き換えられていくことになり、初めてラインアップされたのが「セレナAUTECH」である。
ちなみにいまでは日産の顔のひとつとなっている「ハイウェイスター」も、そもそも最初に世に出たのは1995年8月にセレナの前身であるラルゴに設定されたオーテック扱いの特装車だった。ところが、あまりに売れ行きが好調なため日産本体で完成車として生産されるようになったという経緯がある。
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