今も昔も、日産自動車が販売戦略で使うキーワードには勢いがある。筆者の一押しは「技術の日産」だが、近年ではあの矢沢永吉さんによる「“やっちゃえ”NISSAN(2015年の日産CMより)」のフレーズがその代表格といえる。
時にその表現はストレート過ぎるのではないかと感ずるが、日本自動車販売協会連合会(自販連)による2018年1、2月ともに乗用車ブランド通称名別ランキング(軽自動車を除く)では、日産のコンパクトカー「ノート」が1位、ミニバン「セレナ」が4位に入っており、一定のユーザーからの支持を得ていることがわかる。
2016年8月、「同一車線自動運転技術」というこれまた話題性のあるキーワードとともに、現行5代目セレナに高度な運転支援技術である「ProPILOT(プロパイロット)」が搭載された。ProPILOTとは、①アクセル&ブレーキ操作を併用した前走車追従機能であるアダプティブ・クルーズ・コントロール機能と、②車線中央付近の走行をサポートする車線中央維持機能の組み合わせである。
「セレナe-POWER」を導入した
そして今度は、そのセレナに電動駆動車である「セレナe-POWER」を導入した。
e(electric)-POWERという言葉の響きから、その先にEV(電気自動車)があることをイメージしやすい。これは多くのユーザーにとって新鮮だった。「セレナ」に先立ってe-POWERを搭載した「ノート」では、後述するe-POWER Driveがもたらす回生制御による減速性能や駆動用モーターがもたらす滑らかな走り、そして誰にでもメリットとして捉えられる優れた実用燃費数値が支持され2月以降も販売台数を伸ばしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら