日産、ノートe-POWER好調に潜む喜べない事情 売れている背景には消極的な要因も
日産自動車「ノート」の好調な売れ行きに注目が集まっている。東洋経済オンラインが4月8日に配信した「日産『ノート』が発売5年目なのに好調な理由」でも詳しく解説しているが、発売から4年以上を経たクルマが、ここまで売れ行きを増やすことは珍しい。
そのノート好調を支える2016年11月に追加した仕様「e-POWER」が好調に売れている理由に絞ってさらに深掘りしたい。筆者は4つの要因があると考えている。中には日産にとって喜べない話もある。
優れた燃費、静かで滑らかな走り
(1)優れた商品力
ノートe-POWERのハイブリッドシステムでは、駆動用モーターとは別に発電機も搭載する。エンジンは発電機を作動させ、その電気を使って駆動用モーターを回す仕組みだ。いわゆるシリーズ方式と呼ばれるタイプのハイブリッドシステムで、駆動はモーターだけが受け持つから、エンジンがホイールを直接駆動することはない。
この方式のメリットは、まず燃費が優れていることだ。エンジンは発電に専念できるから、速度の上下動に合わせてエンジン回転数を細かく変化させる必要はなく(フル加速時には大量の発電が必要だからエンジン回転も高まるが)、効率の優れた回転域を維持できる。売れ筋グレードで見るとJC08モード燃費は34km/Lだから、燃費ナンバーワンではないが優れた部類に入る。
そしてモーター駆動であれば、電気自動車と同様に加速が滑らかだ。加速力の高まり方もエンジンとは異なる。エンジンは回転の上昇に応じて動力性能(出力とトルク)を高めるが、モーターは瞬時に高出力を発生させるから、アクセル操作に対する反応が機敏で力強く感じる。特に高速道路で時速70kmから100kmまで加速するような場面では、駆動力に余裕があり、なおかつノイズはあまり増えない。
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