また、ニスモとオーテックの関係というのもそもそも少々複雑で、実はニスモがスーパーGT等を戦うレースマシンに載せるためのエンジンを開発しているのはオーテックだったり、あるいは前述のNISMOロードカーの一部、具体的にはジュークとZ以外のGT-R、セレナ、ノート、マーチの4台については、オーテック内に置かれたNISMOロードカーを手掛ける部署が開発に関与したりするという、ちょっとややこしい話となっていた。
それを整理すべく、2017年5月にオーテック内に新設されたのがニスモカーズ事業部だ。同事業部はそれまで日産、ニスモ、オーテックのそれぞれに散らばっていたNISMOブランドにかかわる人材やノウハウを1カ所に集約し、NISMOロードカーの企画から開発、販売戦略までを一手に担うことになる。従来の部署と同じく、日産本体ではなくオーテックの所属とされたのは、すでにコンバージョン車に関する豊富な知見や生産設備を有するからだ。
「NISMO」と「AUTECH」の違いは?
そんな次第だが、気になるのは「NISMO」と「AUTECH」にどのような違いがあるのかである。プレスリリースより抜粋すると、
だという。
お互い同じく「スポーツ」や「スポーティ」をうたいつつも、「NISMO」はピュア、「AUTECH」はプレミアムというニュアンスの違いがあり、そのため「NISMO」ではモータースポーツのDNAを受け継ぐパフォーマンスを想起させるスポーティなデザインを採用し、一方の「AUTECH」ではより高いプレミアム感や素材感を嗜好するユーザーに向けてクラフトマンシップを訴求するとしている。
執筆時点で唯一、「NISMO」と「AUTECH」の両方がラインアップされたセレナの場合、随所にレッドアクセントをあしらい、より気持ちを高揚させる刺激的なデザインとしている「NISMO」に対し、「AUTECH」では上質な素材とディテールにこだわり、エクステリアにメタル調フィニッシュ、インテリアにブルーのアクセントを配するなどして落ち着いたイメージと上品さを追求していることが見て取れる。
さらに、「NISMO」ではアルカンターラのステアリングホイールが付き、オプションでRECAROシートを選択可能としているところ、「AUTECH」ではセレナ唯一となる本革シートを設定するなどキャラクターに相応しい差別化が図られている。
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