トヨタ「アル・ヴェル」改良で何が変わったか 独走の高級ミニバン、乗ってわかった進化

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新型アル・ヴェルの売れ筋は、2.5リッターエンジン車の2列目シートに肘掛けの付く「エグゼクティブパワーシート」が装備されるグレードだ。アルファードで30%、ヴェルファイアで25%を占めているという。いずれも2015年のフルモデルチェンジ前は、ひとつ下の「リラックスキャプテンシート」付きグレードが最量販だったのだが、現行型ではユーザーの志向が高級方向にシフトしていることが見て取れる。実はこれが営業的に読めておらず、当初は納車待ちが増えてしまったらしい。

一方で、700万円超の「エグゼクティブラウンジ」が全体の10%超に達している。もともとは3%程度を見込んでいたそうだが、フタをあけてみたらはるかに多かったことには関係者も驚いているという。

変更点は多岐におよぶ

今回のマイナーチェンジでの変更点は多岐におよぶ。外観デザインの変更は見てのとおりで、より両車の個性が際立った。外野ではいろいろ物議を醸しているようだが、これが嫌いという人に何を申し上げても仕方がないだろうし、実際の購入者層にとっては期待に沿うものであることには違いないように思える。

機能面での最大の目玉は、先進安全運転装備の進化だ。従来は「トヨタ セーフティセンス」ですらなかったところ、「LTA(レーントレーシングアシスト)」をはじめ新機能を搭載した第2世代となる最新版へと一気にアップデートされた。また、走行性能面では、ガソリンV6エンジンが刷新され、待望のアイドリングストップ機構が付いたことも特筆できる。ATも「ダイレクトシフト」と呼ぶ新しいものに換装された。

使い勝手についても、ユーザーの声を反映したテコ入れがなされている。たとえば「エグゼクティブラウンジシート」について、これまで左右とも電動ウォークインスイッチのみの設定だったところ、右側がマニュアル操作で即座に動かせる仕様も選べるようになった。

これは2列目シートの背もたれが寝かせた状態から3列目に乗り込めるようにするのにかなり時間を要していたことへの対処であり、もともとエグゼクティブラウンジの3列目の使用頻度は少ないであろうという割り切りからあえてこのようにされていたのだが、3列目へのアクセス性向上を求める声も少なくなかったようだ。

次ページ目に見えない部分も大きく進化している
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