フリードがシエンタより売れるようになった訳

グレード毎に異なるキャラクター設定の妙

フリードのインテリアイメージ(写真:ホンダ)

ちなみにフリードの購入検討者には、やはりN-BOXと比較する顧客も多いという。N-BOXは、大人4人でも比較的ゆったりと乗れ、軽自動車なので自動車税などの維持費や車両価格もフリードより安い。ましてや、登録車を含む年間の新車販売台数で2020年まで4年連続1位、軽四輪車では6年連続トップという、今やホンダを代表する大衆車だ。まさに「小さな巨人」。フリード最大のライバルは、意外にも同じホンダ車なのだ。

フリードは「クロスター」の存在が大きい

フリードの価格(税込)は、199万7600円~327万8000円。一方、シエンタは、特別仕様も含めた価格(税込)が180万9500円~258万円。価格帯で見れば、シエンタのほうがリーズナブルなモデルも多い。特に、5人乗りガソリン車・2WDのエントリーグレード「ファンベースX(2列シート車)」は、価格(税込)180万9500円。3列シート仕様で最も安いグレードの「X(7人乗りガソリン車・2WD)」でも185万200円だ。フリード(3列シート車)で最も安いグレードは「B ホンダセンシング(6人乗りガソリン車・2WD)」の価格(税込)が199万7600円であるから、シエンタのXグレードは15万円近く安い。

前述した各販売ディーラーのコメントのとおり、両車はメインユーザーも近く、使い勝手や性能面などもさほど差はない。となれば、価格が安いグレードを備えるシエンタのほうが一見有利に思える。それでも、2020年の販売台数でフリードがシエンタに勝った理由はなんであろうか。あくまで仮定だが、フリードに設定されたクロスターの存在も大きいのかもしれない。

フリード クロスターのリヤビュー(写真:ホンダ)

クロスターは、先述したように、2019年10月に追加されたSUV風デザインを取り入れたグレードだ。専用のフロントグリルや前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイールなどを採用することで、近年人気が高いアウトドアにも映えるスタイルに仕上がっている。3列シート車のフリード、2列シート仕様のフリード+、それぞれのガソリン車およびハイブリッド車に設定されている(計4グレード)。

これもホンダ販売ディーラーの話だが、クロスターは「本格的なSUVまではいらないが、アウトドアの雰囲気が味わいたい」ユーザーに人気が高く、現在(2021年3月上旬時点)オーダーしても、納車は2ヵ月待ちになるという。

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