150年で「東京~大阪」の“道"はどう変わったか 旧東海道からリニアまで東名阪を結ぶ多様な道

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鈴鹿越えのルートは峠道だけに勾配はあるが、一方で雪の影響が少ないという利点がある。鉄道にとっても道路にとっても雪は大敵だ。新幹線や名神が通る関ケ原から米原付近にかけては、日本海からの雪雲が通るルートにあたり、ときには50センチを超える積雪になることもある。

それでも東海道線が米原まわりになったのは、東京と関西を結ぶ鉄道が中山道経由で計画されたことに端を発する。

愛知県の武豊から現在の東海道線沿い木曽川までと、大垣から長浜(現在、米原から先は北陸線)までが先に開通しており、計画が東海道沿いに変更された後も、この既存の区間を利用して、少しでも早く東海道区間を全通させたかったからだと言われている。

また、同じ米原経由でも岐阜市中心部を通る東海道線と、名古屋と米原を最短で結ぶルートを選んだ東海道新幹線とはルートが異なっており、一宮市付近から彦根市付近までは、新幹線と名神高速道路がほぼ並走する。

新幹線と並走する名神高速道路・木曽川付近(写真:りんごりんご / PIXTA)

実際、愛知・岐阜県境をなす木曽川では、両者の橋が隣り合って架けられており、高速道路を運転していると、颯爽と走る新幹線に抜かれる体験をすることができる。

草津、京都はどこを通るか?

こうして草津市で再び東西の大動脈が合流して、旧東海道、国道1号線、名神、東海道線、東海道新幹線は、京都へと進んでいく。

ただし新名神は、草津市では正確には名神とは合流せず(ただし連絡路はある。草津田上ICも連絡路上にある)、その手前の大津JCTから西へ向かい、城陽市から高槻方面へ抜ける(この区間はまだ未開通)ので、草津市は通らないし、もちろん京都市も通らない。

なお、旧東海道は京都が終着点となるが、その先、さらに山陽筋に向けて西国街道が続いており、こちらは高槻、茨木、箕面、伊丹と名神に近いルート(現在の国道171号線沿い)を通っている。

「歴史の道」西国街道
西国街道は名所旧跡の多い「歴史の道」として観光に訪れる人も多い(写真:ideas / PIXTA)

逆に言えば、名神も目的地が大阪よりも先だったためもあってか、大阪市をかすめず西宮に向かっているし、新名神はさらに北側を走って神戸JCTへと至る。このように、この150年の間に建設された太平洋ベルトの交通網は、絡み合いながらも独自のルートをたどって東西を結んでいるのである。

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