150年で「東京~大阪」の“道"はどう変わったか 旧東海道からリニアまで東名阪を結ぶ多様な道

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薩埵峠付近の東名高速道路
薩埵(さった)峠付近の東名高速道路。国道1号線と東海道線が寄り添う(筆者撮影)

2022年は、日本に鉄道が敷かれて150年となる節目の年。JRを中心に、すでにさまざまな情報発信が行われており、10月14日の「鉄道の日」(新橋~横浜間に鉄道が本開業した日)に向けて、さらに鉄道の誕生を寿ぐイベントで盛り上がると思われる。

日本で最初の鉄道が開通した新橋~横浜区間は、のちに日本を東西に貫く大動脈となる東海道線に組み込まれたが、その名前の由来は言うまでもなく、江戸時代に整備された五街道の1つ「東海道」であり(さらに遡れば律令時代の「五畿七道」の東海道に由来)、実際に東海道線の一部は旧東海道のルートと付かず離れず、西へと下っていく。

その後、国道1号線、東海道新幹線、東名・名神高速道路と“新”東名・名神高速道路、そして現在建設中のリニア中央新幹線と、東京と関西を結ぶ主要交通ルートが次々と整備されていった。

しかし、旧東海道を“原点”とする東名阪を結ぶルートは、道路と鉄道でも、また同じ鉄道でもその時々の要請や技術の進歩によって、通過する地域が“付かず離れず”ではなく、まったく別の地域を通るように変わってきた。

多摩川のすぐ東を疾走する東海道新幹線
多摩川のすぐ東を疾走する東海道新幹線。品川から武蔵小杉あたりまで、横須賀線と並走する(筆者撮影)

結論から言うと、旧東海道、東海道線、東海道新幹線、東名・名神高速道路、新東名・新名神高速道路(接続する伊勢湾岸道を含む)、リニア中央新幹線のうち、すべてを通る都市は、実は“愛知県名古屋市だけ”という、ちょっと意外な事実に突き当たる。それだけ、その時々の事情に影響を受けてきたのである。

この連載は「高速道路最前線」なので、50年以上、日本のメインルートの輸送を担ってきた東名・名神高速道路を軸にルートを検証したい。

「寄り添って走る」名古屋までのルート

東名高速道路の起点は、東京都世田谷区用賀。いきなり東海道線や東海道新幹線、国道1号線の起点とはかけ離れたところからスタートする。多摩川をわたる際は、旧東海道と東海道線、国道1号線、東海道新幹線よりもさらに上流を横切っていく。

東名高速が海岸近くを通る旧東海道や東海道線、あるいは国道1号線に最初に近づくのは、静岡県の沼津付近である。ただし、東名は大井松田付近から沼津までほぼJR御殿場線と付かず離れずで並走する。ここには、JR御殿場線が1934年(昭和9年)まで東海道線であったという歴史がある。

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