決算書には各社の実績がデータとして開陳されているのみならず、屋台骨となるビジネス戦略や、悲喜こもごものストーリーが隠されています。開示資料の海を泳ぎ、まるで「謎解き」のように企業の戦略を解き明かす「プロの読み方」とは?
大手町のランダムウォーカー氏の著書『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』から一部抜粋してお届けします。
多角化する、鉄道業の稼ぎ頭
みなさんは、東京から埼玉を走る鉄道をメイン事業とする、東武鉄道(東武グループ)をご存じでしょうか。同社は日本の電波塔でおなじみの東京スカイツリーを運営している企業でもありますが、「東武鉄道がなぜスカイツリーを開業したのか」考えてみたことはありますか? そんな素朴な疑問にも、明快な答えを見せてくれるのが決算資料なのです。
今回は、スカイツリーが開業した前後での決算数値にどのような動きが起こっていたのかに注目しながら見ていきましょう。
次の図は、東武鉄道が直近で最も営業利益率の高かった2017年3月期の実績をもとにしたクイズです。では、東武鉄道でいちばん利益を出している事業はどれだと思いますか?
Q. 東武鉄道で最も利益を出している事業はどれでしょう?
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