「任天堂=ずっと好業績の企業」イメージは誤りだ 直近は絶好調だが赤字に苦しんでいた時期も

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つねに好業績であるというイメージがある任天堂にも、赤字に苦しんでいた時期があったことが決算書を読み解くと見えてきます(写真:Graphs/PIXTA)
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決算書には各社の実績がデータとして開陳されているのみならず、屋台骨となるビジネス戦略や、悲喜こもごものストーリーが隠されています。開示資料の海を泳ぎ、まるで「謎解き」のように企業の戦略を解き明かす「プロの読み方」とは?
大手町のランダムウォーカー氏の著書『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』から一部抜粋してお届けします。
1回目:東武鉄道がスカイツリーを建設した「納得の理由」(9月8日配信)
2回目:コロナ禍でも黒字を維持したのは王将か、日高屋か(9月13日配信)

時系列分析で「儲けのカラクリ」が見えてくる

今回分析する企業は、「マリオ」や「ポケモン」等で世界的に有名なゲーム会社である任天堂です。コロナ禍であらためてその存在感を示した同社ですが、「つねに順調だったのか」といえば、そうではありません。時系列で数字を見ながら、任天堂のビジネスの特徴と傾向を一緒に追っていきましょう。今回のテーマは長くなりますので、第3回と第4回の2回に分けて解説していきます。

それでは、恒例となりましたが、まずは簡単なクイズに挑戦していただきましょう。

Q. 任天堂の最新決算はどちらでしょう?

※任天堂の2012年3月期、2021年3月期の有価証券報告書をもとに作成/出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』

これは任天堂の2012年3月期と2021年3月期の決算数値を並べたものですが、どちらが2021年の任天堂の決算数値だと思いますか? 一緒に考えていきましょう。

任天堂といえば、「スーパーマリオ」や「ポケットモンスター」のようなゲームソフトで有名ですが、ニンテンドーDSやNintendo Switchなどのハードも製造しており、そのコンテンツ力からつねに好業績であるというイメージを持たれている方も多いかもしれません。実はそんな任天堂にも赤字の年があったことが、ここからは読み取れますね。

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