王将と日高屋、コロナ禍で「明暗」分かれた拠所 共に高収益体質だが販管費の圧縮で差がついた

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中華料理を軸に運営している2社。コロナ禍で片方は赤字に転落し、片方はコロナ禍においても黒字を維持していることが、決算書を読み解くと見えてきます(写真:skandimat/PIXTA)
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決算書には各社の実績がデータとして開陳されているのみならず、屋台骨となるビジネス戦略や、悲喜こもごものストーリーが隠されています。開示資料の海を泳ぎ、まるで「謎解き」のように企業の戦略を解き明かす「プロの読み方」とは? 
大手町のランダムウォーカー氏の著書『世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』から一部抜粋してお届けします。 
1回目:東武鉄道がスカイツリーを建設した「納得の理由」(9月8日配信)

飲食店のビジネスモデルを知ろう 

今回は、飲食ビジネスを展開する競合同士について、決算資料をもとに「数字を分解して、比較しながら分析する」という観点で見ていきたいと思います。 

取り上げるのは、関東を中心に「日高屋」を運営するハイデイ日高と、全国に「餃子の王将」を展開する王将フードサービスです。 

両社はいずれも中華料理を軸に運営している会社であり、かつ、コロナ前の2020年3月期決算までは、飲食店の中でも非常に高い利益率を生み出していました。ところが、コロナ禍で片方は赤字に転落し、片方はコロナ禍においても黒字を維持しています。今回は、この黒字を維持した企業はどちらでしょうか、という問題です。2社の経営スタンスの違いがポイントになってきます。 

Q コロナ禍でも黒字を維持した会社はどちらでしょう? 

出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』
出典:『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』 
次ページなぜ黒字と赤字に分かれるのか 
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