「キャリアショック」はいつ来るか予測が難しい
私は2000年に『キャリアショック』(東洋経済新報社)を出版しました。
「キャリアショック」とは、自分がそれまで積み上げてきたキャリア、自分の思い描いてきたキャリアの将来像が、予期しない環境や状況の変化により短期間のうちに崩壊してしまうことをいい、私が提唱した概念です。
今後も、AIなどのテクノロジーの普及により、こうした「キャリアショック」が加速度的に起こることは間違いありません。
たとえば、電車の運転です。いまやATO(自動列車運転装置)の技術も確立され、技術的には無人運転は十分射程内です。
では、いつ電車の運転が完全に自動化され、運転士の仕事がいつなくなるのか。この予測がじつは難しいのです。そこには、たんに技術的な問題ではなく、鉄道会社が運転の完全無人化に踏み切る動機の問題がからんでくるからです。
「技術的に可能であること」と「企業がそれを実装するかどうか」には、大きな隔たりがあります。技術的に可能になって実装されるケースもあれば、実装をドライブする動機が発生しなかったため長年実装しない例もあるのです。
このようにキャリアを中長期的にデザインし、そこから逆算して学びも効率よくデザインしていく発想の「キャリア形成」は、ますます難しくなってきました。まさに、「計画通りにはキャリアをつくれない時代」になってきたのです。
そこで今回は、「日本社会で進む『3つの大転換』のなか、仕事はどうなっていくのか」について解説します。
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