「気の合うチーム」がゼロからイチを生み出す ピーター・ティール「起業の極意」を語る

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それはなぜか。これは非常に複雑な問いかけですが、一つには科学に対する人々の幻滅があります。アポロ計画の起源は、マンハッタン計画です。マンハッタン計画で生み出された核兵器を運搬するロケットが必要になったことで宇宙開発計画に繋がっていきました。

テクノロジーは人を殺す兵器と結びつけられており、核兵器はその典型例です。ですから、軍事的な政策というのは、確かにイノベーションを推進したものの、科学に対する幻滅を拡大させたのです。

人々の文化的な側面を見ても、ハリウッドでつくられるSF映画などは科学に対する幻滅をよく象徴しています。『ターミネーター』『マトリックス』『アバター』のような映画は、ユートピアというよりはむしろ暗黒郷を予想させるような内容です。今は、科学を恐怖や軍事と結びつけるのではなく、より良い未来として描けるかどうかが課題だと思います。

そうしたことを考えると、日本は、もちろん米国も、果たすべき役割は非常に大きいように思います。

起業チームは気の合う仲間で

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――起業を成功させるために、最初のチーム構成は重要だと思います。PayPalも、優れたチームだったと思います。創業時のチームの重要性をどう考えていますか。

確かに1人ですべてをやることはできません。ビジネスは、大学や高校での勉強とは違う。大学、高校では個人と個人の競争の場ですが、企業の中では優秀なチームをつくることが非常に重要になります。

たとえスティーブ・ジョブズのようにカリスマ性のある人であっても、周りの人たちの素晴らしい点をいかに引き出せるかが重要でした。これをうまくやれたからこそアップルは成功したのです。

会社を立ち上げる初期の段階においては、お互いによく知っている友人や知人と一緒に始めるといい。ラスベガスのスロットマシンの前で初めて出会った人とすぐに何か組んで仕事をしようとはしないでしょう。そんなことをすれば非常に大きな賭けです。また、何かのネットワーキングイベントで、たまたま会った人と一緒に会社を立ち上げようともしません。

何年ものあいだ、お互いによく知っていて、彼はビジネス担当、私はテクノロジー担当というふうに役割分担をしながら始める。会社を立ち上げる前の交流があれば、自然に役割分担はできます。

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