「気の合うチーム」がゼロからイチを生み出す ピーター・ティール「起業の極意」を語る

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世界に認知されたブランドという点では課題が多い。しかし、日本は、特に製造業に優れた点がたくさんある。工場の組み立てラインなどには優れたスキルが蓄積されており、製造技術という点で、日本は世界第1位、あるいはドイツに次ぐ2位です。ほかの国が模倣するのが難しい、圧倒的な優位性を保っています。

ブランドではなく重要なのは事業の中身

これは非常に大きな優位点です。(質問ではブランドという言葉を使っているものの)私は、ブランドはビジネスにとって最優先ではないと考えています。確かに非常に強力な武器ですが、まずは中身です。中身を充実させることで、そのあとにブランドが続いていくのだと思います。

Peter Thiel●1967年10月、旧東ドイツ生まれ。シリコンバレーでもっとも注目される起業家、投資家のひとり。1998年にPayPalを共同創業し会長兼CEOを務めた。フェイスブックへの投資でも巨万の富を築いた

――ロボティクス、ヘルスケアなどが、イノベーション面で有望視されています。今後の5年、10年を見通して、ティールさんはどこに注目していますか。

多くの分野でイノベーションを期待できます。これまでIT革命と言われ、この40年ほどで非常に前進しました。このIT革命に関してはこれからもペースが落ちることはありません。むしろ加速していくと考えています。

さらに別の分野で言えば、ライフサイエンスやバイオテクノロジーの分野が大きく進展するでしょう。課題が非常に多いために、人々が望むほど早くは進化していきませんが、がんや認知症の治療法が発見されることが期待されています。10年、15年先を見た時に、こういった分野も非常に可能性があると思います。

そのほかには、日本が得意とする超高速鉄道は有望。これは米国も真似をしようとしていますが、日本が進んでおり、追いつけないというのが実情です。

移動手段という領域では、自動運転車も有望です。駐車スペースを節約したり、あるいは渋滞を緩和したり、ということができる。もちろん安全性も高まる。自動車の発明ほど画期的ではありませんが、大きなインパクトがあります。

前編"動的な独占"こそが、技術革新を加速する

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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