「気の合うチーム」がゼロからイチを生み出す ピーター・ティール「起業の極意」を語る
世界に認知されたブランドという点では課題が多い。しかし、日本は、特に製造業に優れた点がたくさんある。工場の組み立てラインなどには優れたスキルが蓄積されており、製造技術という点で、日本は世界第1位、あるいはドイツに次ぐ2位です。ほかの国が模倣するのが難しい、圧倒的な優位性を保っています。
ブランドではなく重要なのは事業の中身
これは非常に大きな優位点です。(質問ではブランドという言葉を使っているものの)私は、ブランドはビジネスにとって最優先ではないと考えています。確かに非常に強力な武器ですが、まずは中身です。中身を充実させることで、そのあとにブランドが続いていくのだと思います。
――ロボティクス、ヘルスケアなどが、イノベーション面で有望視されています。今後の5年、10年を見通して、ティールさんはどこに注目していますか。
多くの分野でイノベーションを期待できます。これまでIT革命と言われ、この40年ほどで非常に前進しました。このIT革命に関してはこれからもペースが落ちることはありません。むしろ加速していくと考えています。
さらに別の分野で言えば、ライフサイエンスやバイオテクノロジーの分野が大きく進展するでしょう。課題が非常に多いために、人々が望むほど早くは進化していきませんが、がんや認知症の治療法が発見されることが期待されています。10年、15年先を見た時に、こういった分野も非常に可能性があると思います。
そのほかには、日本が得意とする超高速鉄道は有望。これは米国も真似をしようとしていますが、日本が進んでおり、追いつけないというのが実情です。
移動手段という領域では、自動運転車も有望です。駐車スペースを節約したり、あるいは渋滞を緩和したり、ということができる。もちろん安全性も高まる。自動車の発明ほど画期的ではありませんが、大きなインパクトがあります。
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