特に、女性の25~29歳の初婚達成率の激減ぶりは目を見張るものがあります。当該年齢の年間あたりの初婚達成率は1980年から2020年にかけて3分の1にまで減少しています。晩婚化というのであれば、これが30~34歳で多少なりとも上昇していなければおかしいのに、上昇どころか逆に減少しています。
こうした背景には、女性の進学率と就業率の上昇は決して無縁ではないでしょう。1980年代には10%台だった女性の4年制大学進学率は2021年には50%を超えました。
女性の就業率と「まだ結婚は早い」という判断
労働力調査によれば1983年まで5割未満だった25~34歳女性の就業率も2020年には約8割弱にまで増えています。かつてもっとも結婚をした年代で学業や仕事に邁進することで、「結婚はまだ先でいい」と考えてしまうのも無理のない話でしょう。
しかし、『恋愛結婚の人は大概25歳で出会っている残酷現実』の記事で紹介した通り、恋愛結婚の中央値年齢は女性で28.0歳、男性でも29.2歳と男女とも結婚する人の半分は20代のうちに結婚しています。さらにいうなら、その歳までに結婚している男女というのは、男性で24.8歳、女性では23.6歳までに結婚相手と出会っているわけです。
もちろん、個人差はありますが、あくまで統計的には、大卒で考えれば、就職して2~3年以内に将来の結婚相手と出会っていないと、20代のうちに結婚することは難しいということになります。
むしろ今の感覚からすれば、「1980年はよくそんなに早く結婚に踏み切れたものだ」と思うかもしれません。しかし、「まだ20代だから結婚は早い」という判断が、最終的には「晩婚化」ではなく婚姻数の減少という結果に帰結してしまう可能性は否めません。
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