意外な盲点「根拠ある健康情報」も実は疑うべき訳 お茶のカテキン「血管の病気を防ぐ」は本当?
日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく自立した生活を送れる期間)は男性72.68歳、女性75.38歳(厚生労働省調べ、2019年の値)。平均寿命までの10年前後は健康上の問題を抱えることになります。
そのギャップ期間を短くするにはどうしたらいいのでしょうか。新著『健康寿命を延ばす「選択」 “見える化”すれば、“合理的に”選べる』を上梓した聖路加国際病院・心血管センターの循環器内科医である浅野拓氏は、ポイントの1つとして、健康にまつわる正しい情報を選ぶことを挙げます。
世の中にあふれかえっている健康情報
「血管に良い食べ物は○○」「血圧の高い人は○○を避けよう」「血糖値を下げるには、○○を食べましょう」など、健康にまつわる情報は世の中にあふれかえっています。一般の人にとっては、どの情報も同じウエイトで入ってきてしまうので、いったいどれが自分にとって必要な情報なのかわからず、振り回されてしまいがちです。
自分の体に合った食べものを選択するには、こうした世の中にあふれかえった情報のなかから「正しいもの」を選ぶ術を身につけることも欠かせません。
例えば「お茶が血管の病気を予防する」という情報を聞いたとしましょう。「へえ」と思う前に、まずは「エビデンス(科学的根拠)があるかどうか」を気にしてほしいのですが、そもそもどういう情報であれば、エビデンスのある情報といえるのでしょうか。
次のような情報があったとします。どう感じますか。
「お茶にはカテキンが豊富に含まれていて、カテキンには抗酸化作用があるので血管の老化を防いでくれます」
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