意外な盲点「根拠ある健康情報」も実は疑うべき訳 お茶のカテキン「血管の病気を防ぐ」は本当?

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こう聞くと、「なるほど」と思うのではないでしょうか。確かに、お茶にカテキンが含まれていること、カテキンには活性酸素を抑える抗酸化作用があること、そして活性酸素が増えると血管が傷つくことは事実です。

でも、「だから、お茶は血管の病気を予防する」といえるのかというと、そこには理論の飛躍があります。お茶を飲んでその成分が体内に吸収されるときにカテキンがどうなるのかといったことはわからないからです。

わかりやすい例では、「ヒアルロン酸を塗ったら肌がきれいになる」といった情報を、女性の方なら一度は耳にしたことがあると思います。これも、理論の飛躍です。

ヒアルロン酸が保水性に優れていること、加齢とともに肌の水分量が減りやすいこと、適度な水分量を保っている肌が見た目にも健康的であることは確かですが、では、ヒアルロン酸を肌に塗ったら皮膚組織の水分量が増えるのかといったら、少し語弊があるように思われます。なぜなら、皮膚は吸収する臓器ではないから。ヒアルロン酸をたっぷり肌に塗ったところで、細胞内に取り込まれるわけではないのです。

本当に知りたい結果を、比較して検討されているか

カテキンの抗酸化作用にしても、ヒアルロン酸の保水性にしてもロジック的には良さそうですが、実際に“効く”かというと、そこには理論の飛躍があります。そこで、ポイントとなるのが「本当に知りたい結果を、比較して検討されているかどうか」です。

先ほどのお茶の例でいえば、お茶を飲んだ人と飲んでいない人を比べて、実際に心筋梗塞や脳卒中の発症率に差はあるのかといったことを比較する。実際に、「カテキンは血圧を下げる」「血管の柔軟性を改善させる」などのエビデンスはあります。

でもカテキンを多く含むそのお茶の効果が、実際に心筋梗塞や脳梗塞を減らすほど十分なものかどうかという検証はまだされていません。

意地悪な発想ですが、お茶にまだ知られていない健康を害する物質が含まれていることもあるかもしれません。カフェインなどが睡眠障害、心拍数増加(起こすことがわかっています)を起こして健康被害に実はつながるというストーリーもないわけではありません。

例えば、3000人がお茶を飲んで、別の3000人はお茶ではなく水を飲んでいたとしましょう。その人たちのその後を5年間追い続けて、その間に脳卒中を起こした人が何人出るのかを調べて、統計学的な手法で「お茶を飲んでいる人と飲んでいない人の間に差がある」ことがちゃんと確認されているのか、が大事です。

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