健康診断でなぜ残る「欧米がとっくにやめた検査」 いまだに「肺結核」を調べる必要はあるのか?

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日本とアメリカでは健康診断の内容が異なるようです(写真:Fast&Slow/PIXTA)
全米最大規模の老年医学科を擁するNYのマウントサイナイ医科大学病院で、日々高齢者診療にあたるアメリカ老年医学専門医、山田悠史氏。この高齢化社会において人々が切望する“健康で自立した老後”を叶える方法を、最新のエビデンスから解き明かした『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』を上梓した山田氏が、病気の予防として最も身近な「健康診断」の実像を、日米の比較から検証する。

健康診断の「本当のところ」

皆さんが毎年受けている健康診断。その音の響きから「健康」を「診断」してくれるように思われているかもしれませんが、実際の健康診断で本当に「健康」が診断できるのでしょうか。この記事では、その本当のところを探っていきたいと思います。

そもそも日本の健康診断は、その実施が労働安全衛生法と呼ばれる法律で義務づけられています。また、その内容についても規定されていますので、基本的には日本全国どこでも同様の検査を受けることになります。

内容は、問診、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、胸部X線、心電図(ただし年齢によって差異あり)というような構成になっています(安全衛生情報センター「労働安全衛生規則」)。毎年の健康診断を受けている方なら、「そんな検査を受けているな」とご理解いただけると思います。

確かに、これだけバラエティに富んだ検査を受ければ、さすがに「健康を診断してくれそうだ」と思われるかもしれません。しかし、それぞれの検査の位置づけを見ていくと、健康診断の違った意義が見えてきます。

そこで、日本の健康診断の位置づけや意義を知るために、あえて一度、私の住むアメリカでの健康診断の現状をお伝えしたいと思います。

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