健康診断でなぜ残る「欧米がとっくにやめた検査」 いまだに「肺結核」を調べる必要はあるのか?
アメリカでも、日本同様、健康診断は行われています。ただし、地方自治体や雇用主が主導というわけではなく、保険者がサービスとして無料で提供していることが多いという違いがあります。また、アメリカで健康診断を行う医師は、基本的にかかりつけの主治医です。
内容として、問診と診察、その後、若い方なら、性行為感染症の血液検査と必要な予防接種が行われます。また、カウンセリングとして、自転車に乗っている際にヘルメットをかぶっているか、性交渉の際にコンドームを使用しているか、毎年秋になったらインフルエンザの予防接種を受けているか、などといった確認を15分から20分程度かけて主治医が行います。
一方、高齢な方では、糖尿病スクリーニング検査やコレステロール検査、がん検診が行われます。また、心臓や血管を守るための食生活や運動習慣に関するカウンセリングが行われます。しかし、胸部X線や心電図といった検査が行われることはまずありません。
このように、患者の年齢や性別によって異なる健康診断が行われており、一律ほぼ同様の検査が課される日本の健康診断とは大きく異なります。
日米の健診項目はこんなに違う!
自覚症状及び他覚的症状の有無
身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
胸部X線検査
血圧の測定
尿検査(糖、蛋白)
貧血検査(赤血球数、血色素量)
肝機能検査(GOT, GPT, γ-GTP)
血中脂質検査(トリグリセリド、HDL、LDL)
血糖検査
心電図検査
性行為感染症の検査
必要に応じて予防接種
生活上で気をつけるべきことのカウンセリング
ここでは、35歳男性の場合の健康診断の内容の違いを並べてみましたが、日本ではだいぶ検査がしっかりと行われているように見えるのに対し、アメリカでは検査がほとんど行われていないことに気がつかれると思います。なお、イギリスの医師に聞いてみると、イギリスでもアメリカとほぼ同様なのだそうです。
それでは一体なぜ、このような違いが生じているのでしょうか。
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