これは、予定になかった余計な買い物をしてもらうための売り手の仕掛けでしかない。そのほうが節約になると感じてしまうが、そもそも予定外の購入代が発生しているのだから、食費を減らしたことにはなっていない。
この言葉を使いがちな人は、次回も同じように「ついで」の買い物をしてしまうだろう。なるべく安く買おうとすること自体は悪くはないが、余計な条件が付いている「安さ」には注意が必要だ。
2 「あれば使うだろう」
この言葉の前には、たいがい「安いから買っておくか」が来る。売り場を眺めているとき、セール価格に目が留まり、その値段だけで手が伸びることはよくある。安いものを買って献立を組み立てるのは食費節約の基本だが、安いからという理由だけで目についたものをカートにどんどん入れていくと、会計時にびっくりということが多いものだ。
必要なものだからではなく、「安いから」との理由で買うのは節約にはつながらない。なぜなら、「あれば使うだろう」というものは、「なくても困らないもの」だからだ。なくても困らないなら、買わなくてもいいのに、それを買ったぶん支出が増えてしまう。値段だけが理由でなんとなくカートに入れたものは、会計前に見直して速やかに売り場に戻したほうがいい。
3 「せっかく来たのだから」
わざわざ買い物に来たんだから、特に欲しいものがなくても買い物しないともったいない――いわゆる、サンクコスト(埋没費用)を取り戻したいという心理だ。
わざわざ電車賃やガソリン代をかけ、移動時間を費やして買い物に来たのだから、それ相応の買い物をしないと割に合わないと感じてしまう。
テレビで紹介されていたアウトレット品を扱う店や、デパートのギフト解体セールなど、オトクな買い物ができると聞いて出かけたものの、量が多かったり期待したほど安くなかったりしたとする。それでも、口に出るのは「でも、せっかく来たんだから何か買わないともったいない」という言葉だ。
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