難病の子も地域の学校へ…「合理的配慮」って何? 「特別支援」との違いについて専門家が解説する

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
印刷
A
A
小中学校時代の親友たちと記念撮影(写真:ご家族提供)
インクルーシブ(inclusive)とは、「全部ひっくるめる」という意。性別や年齢、障害の有無などが異なる、さまざまな人がありのままで参画できる新たな街づくりや、商品・サービスの開発が注目されています。
そんな「インクルーシブな社会」とはどんな社会でしょうか。医療ジャーナリストで介護福祉士の福原麻希さんが、さまざまな取り組みを行っている人や組織、企業を取材し、その糸口を探っていきます【連載第6回】。
この記事の画像を見る(6枚)

本連載第4回から、重度障害のある子どもの就学について、「特別支援学校で学ぶか、地域の小中学校で学ぶか」を紹介している。このテーマで取材をすると、地域の小中学校関係者からよく「他校の授業では、どのように合理的配慮をしているか、教えてほしい」と質問を受ける。

そこで、今回はインクルーシブな授業をしている学校の取り組みを紹介する。

まばたきでコミュニケーション

この連載の一覧はこちら

愛知県内の定時制高等学校2年生の林京香さん(17)は、生まれつきの難病「脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMAⅠ型)」で、日常生活ではリクライニング式のバギーに座り、人工呼吸器を装着して痰(たん)の吸引を必要としたり、食事を胃ろうから取ったりする。いわゆる「医療的ケア児」だ。地域の教育委員会や医療・介護従事者、就学先の学校教員の協力のもと、小学1年生のときから、地域の小学校、中学校の通常学級で学校生活を送っていた。

京香さんは家族や友達とコミュニケーションをとるとき、手足の指先や顔のまゆ、まぶた、眼球、口角をわずかに動かす。

今年5月、父親の智宏さん(47)が中部大学生命健康科学部(保健看護学科)の学生にオンラインで授業をした日も、「何か伝えたいことがあるか」と聞くと、京香さんはまばたきをして「ある」と答えた。

智宏さんが京香さんに、どんなことを伝えたいか詳しく聞くために、いくつかの選択肢を出したところ、「学校看護師」のところで、大きくまばたきをした。智宏さんが「あっ、学校看護師さんの募集のことかな」と聞くと、再び、京香さんはバチバチバチと数回強くまばたきをした。

次ページ特別支援学校でなく地域の小中学校へ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT