中学受験「早慶付属校」に挑んだ少年の怒涛の結末 「学校がつらい」わが子と親が歩んだ6年の軌跡

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学級崩壊状態から中学受験を目指した少年。その結末は?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

過去最高の受験率となった2022年度の首都圏中学入試。これだけ受験者が増えてくる中、なぜ中学受験をするのか、その目的は家庭によりかなり多様になってきている。

「大学受験を有利に進めるために、高い偏差値の中高一貫校に入れたい」が従来多かった目的だとして、それ以外の理由で受験をする家庭も増えているのだ。

今回取り上げる三木さん一家(仮名)は、「学校では浮いてしまいがちな、わが子に合った学びができる環境」を求めて中学受験を決めた。親子の軌跡を追った。

学級崩壊状態で、担任が何度も代わる

都内の落ち着いた住宅街に暮らす三木さん一家。一家が長男の陸くん(仮名)の教育について悩みはじめたのは、近くの幼稚園を卒園し、地元の公立小学校に上がってからのことだった。

「地元の幼稚園には何の問題もなかったですし、地域的にも落ち着いているエリアです。それなのに、まさかこんなに学校が荒れるなんて、思ってもいなかったんです」

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母親の小百合さん(仮名)は振り返る。

だが、穏やかな地域環境であることと、問題児が少ないかどうかは、また別の問題だった。ひと学年の児童数が少なく、アットホームな雰囲気だろうと入学したところ、1年生の段階でクラスが荒れ始めたのだ。

「お前の目に刺してやる!」

そう言って陸くんが目につきつけられたのは、名札を止める安全ピン。まだ小学校生活に不慣れな1年生だからと見守っていたが、学年が上がっても乱暴な雰囲気は変わらなかった。

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