中学受験「早慶付属校」に挑んだ少年の怒涛の結末 「学校がつらい」わが子と親が歩んだ6年の軌跡

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父親と2人、見つけた陸くんをなだめながら帰路にいた小百合さんは覚悟が決まった。そんなにやってみたいのなら、気が済むまでやらしてやろう。

塾とは別に家庭教師もお願いし、万全の体制を整えた。

「家庭教師の先生は、当たり前ですが、その子一人を見てくれますから、息子のこともよくわかってくれて、上手に気持ちを乗せていってくださいました」

頼ったのは学生バイトの家庭教師ではなく、指導経験豊富なプロの家庭教師だった。

「この問題ができているから、間違いなく合格するよ」

「ほら、こんなに点が取れるようになった。合格最低点を大きく超えているから大丈夫だよ」

陸くんの不安を包み込むように丁寧に言葉をかけてくれる家庭教師。もちろん、それだけ費用はかかるが、陸くんは入試直前までメンタル的にも支えられ、受験当日を迎えることができた。

長かった緊張の日々。試験を終えて校門に現れた陸くんは晴れ晴れとした顔をしていた。そして見事に第一志望の早慶付属の中学から合格をもらった。

日本では”浮きこぼれ”のケアはほとんどない

「残念ながら日本の公立は、落ちこぼれを救うためのケアは講じられています。しかし、わが家のような〝浮きこぼれ〟に対するケアは、ほとんどありません」(母親の小百合さん)

学力で入学が決まる私立中学は、同じくらいの力を持った生徒が集まる場でもある。大学付属校の場合、それぞれの興味関心に合わせた特別講座などもふんだんにある。この環境で、思う存分に学んでほしい、それが今の小百合さんの願いだ。インタビューの最後、小百合さんはこう話した。

「ギフテッドの子を持つ家庭の中には、最適な環境を求めて海外に引っ越す家もあります。国内での環境が整うことを願ってやみません。そして、こういう子たちがいることを、まず、皆さんに知っていただきたいです」

アメリカではギフテッドの子のためにつくられたプログラムで授業をする学校も存在する。かたや日本。学校側の理解が追いつかず、環境が整わないばかりに、「不登校」になってしまう子もいるだろう。日本のギフテッドの子どもたちが、クラスになじめずに厄介だと扱われたりすることなく、存分に力を発揮できる場が整うことを願ってやまない。

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宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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