研究者・棋士・エンジニアの顔を持つ28歳の生き方 「それぞれ全力を注げるからバランスがとれる」
いずれは究極の将棋AIを完成させ、さらには初心者が効率的に将棋を勉強できるツールなどを作りたいと谷合さんは言う。
「おこがましいかもしれませんが、どんな分野であれプロフェッショナルというのはそうやって『対価に見合う何か』を生み出せる人のことを言うのだろうと思います」
強みは「欲求」の先に見えてくる
彼のように、興味を持ったそれぞれの分野で「極める」まで進むのは難しいもの。しかし谷合さんはシンプルに「自分が好きなものや楽しいと思うもの、欲求に従っているだけ」だと話す。
「僕は何かを極めなければ……と思っているわけではなくて、ただ好きなものに向かっているだけ。やっぱり興味がなければ楽しくないし、そもそもモチベーションも続かないのですから。
特にエンジニアであれば『好きな分野×プログラミング』の掛け合わせは独自の強みになりますから、そこが自分の武器になりやすいですよね」
実は谷合さんも、プログラミングに関しては「それ自体がものすごく好きだったわけではない」という。
「ある日、プログラミング競技会があると知って試しに参加してみたら、人と競うことそれ自体がゲーム感覚で楽しかったんですよ。
もともと競争心が強くて、すっごく負けず嫌いなので(笑)。それ以降、面白そうな競技会の情報をTwitterで収集して積極的に参加していたら、自然と自分の興味がある分野や、研究したいものが見つかったという感じです。
プロとしては『求められるもの』や『対価』が大事だとは思いますが、その前段階では、興味の延長線上で心に刺さるものを見つけること。思わぬことがきっかけでキャリアが広がる可能性もあるのではないかなと思います」
(取材・文/古屋江美子 撮影/桑原美樹)
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