欧米景気後退で日本人がさらに「貧しく」なる根拠 ほかの国より世界情勢の影響を受けやすい理由
金利上昇とウクライナ侵攻によってアメリカとヨーロッパが景気後退に陥った場合、日本はうまくやれるだろうか。歴史を手がかりとするのなら、「やれない」というのが筆者の答えだ。
それはすべて欧米の景気後退(起きればの話だが)の深刻さ次第である。というのも、歴史上の記録から見れば、日本経済は、他国発の景気後退をはじめとする経済的ショックに対して、甚大な反応を起こしやすいということがわかる。
日本人の生活水準は継続的に低下
もし歴史が繰り返されるのなら、このことは2つの好ましくない結果をもたらし、長期的に尾を引くだろう。第一には後述するように、大部分の日本人が生活水準の継続的な低下を経験することである。それは大多数の労働者の実質賃金の低下や高齢者1人当たりの社会保障支出の削減といった形をとる。
第二は、アジアにおける日本の影響力が低下し続け、中国に対抗する力が弱まることである。2021年版「アジア・パワー・インデックス」が報告するところによれば、すべての分野において、日本のパワーは「初めて大国とみなされる閾値である40ポイントを下回り、高パフォーマンスの中堅国として考えられている」と報告している。
アジア内の経済関係(貿易、投資、技術的リーダーシップといった「経済的相互依存関係を通じて影響力とレバレッジを行使する能力」)に関しては、日本のスコアは、インデックス算出を開始した2018年の56点から、2021年の40点に落ちた。これに対し、中国のスコアは96点から99点に上昇した。
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