欧米景気後退で日本人がさらに「貧しく」なる根拠 ほかの国より世界情勢の影響を受けやすい理由
日本は自由貿易協定や安全保障問題での協力、軍事力の強化などを通じて影響力を高めようと努力しているが、日本の経済的重要性の相対的な低下を克服するには十分ではない。
他国がより迅速に影響力と交流関係を拡大する中で、日本はつねに後れをとっている。例えば、2021年のアジア太平洋25カ国の輸出品に占める日本の割合はわずか9%であるのに対し、中国の割合は33%に増加している。
この趨勢に加えて、他の観点でも同様の傾向がみられた結果、貿易に関する日本のスコアは2018年の37点から2021年の25点に急落した。地域投資については、2018年の日本のスコアは79対83と中国に近いものだったが、2021年には56対97と大きく引き離されている。
要するに、日本の経済的弱点は、生活水準のみならず、国家安全保障に対する脅威でもあるのだ。
世界的なショックでより大きな打撃を受ける日本
概観すれば、世界的、国内的なショックが発生した場合、日本経済は他の富裕国と比べてより大きな打撃を受け、その被害はより長期間持続することがわかる。
2008〜2009年の世界的な金融危機を考えてみよう。日本の金融システムは、この災いを引き起こした不正行為にほとんど関与していなかった。しかし、2007〜2009年には、日本のGDPは5.6%低下した。これは、OECD(経済協力開発機構)に加盟している富裕国23カ国の中で21番目に大きな落ち込みを見せた。OECD全体のGDP低下率は、その半分未満の2.5%にすぎない。
その次には、新型コロナウイルス感染症が流行した。日本は他の富裕国に比べて患者数も死亡者数もはるかに少なかったにもかかわらず、それに伴う封じ込め対策と、サプライチェーンにおけるボトルネックによって、経済的にはるかに大きな打撃を受けた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら