31歳女性「普通に眠れない」パワハラ後遺症の実態 元上司と似た人に「びくっと体が硬直」する事も

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――異なる意見をぶつけられるから、相談することが億劫になり、誰にも言わなくなり、かえって孤立してしまう。親であれば世代間での仕事に対する考え方の違いもありますし、相手に専業主婦/主夫の経験しかない場合、働くということ自体のイメージにすれ違いが生じる。

軽い感じで「辞めちゃいなよ」と言われるのもつらかったですし、「大丈夫だよ! 気にしないで働き続けてればきっとよくなるよ!」 みたいなことを言われるのも、それはそれでつらかったです。

――お話を伺って、つくづく相談に乗るということは本当に難しいのだなと感じます。

本当に難しいですよね。私自身も、相談を受けてなにか言葉をかけてみても、「これでよかったんだろうか」って不安になります。

ハラスメント被害者の「周りの人」は何をすべき?

――この連載では、被害者を取り巻く第三者がどう助力していけるかについてもフォーカスしているのですが、当事者としてはどうお感じになりますか?

難しいですね……励ますにしたって安易に背中を押したくない。責任を負えないですし。

ただ、友達が何人かいる中から私を選んで相談してくれた、あるいは他にも何人か相談をしているうちの1人である私の意見を聞いているわけなので、いずれにしても、変に忖度しない私の考えを聞きたいんだと思うんです。だから、あくまで私はこう思うよ、という前提で、自分が思うことを率直に話すのが、結局一番いいのかなと思います。

――なるほど、ありがとうございます。

ちなみに、元上司はつい最近退職したそうです。

画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします

あらゆる引き継ぎ事項を引き継がず、彼女しか持っていない権限を移譲せず、資料の在り処も知らせず、倉庫の鍵も持ったままいなくなってしまって、社内が大混乱になったらしいんです。

それにしたって彼女が重要な存在だったからではなく、適切な情報共有を怠ってきた彼女の不手際によるものなんですけど。何せ大騒ぎで、結局倉庫は力ずくで扉を壊してなんとか開けるしかなかったそうです。

次の職場では社歴ゼロから再スタートだから、私にしたみたいな仕打ちをまた別の人にはしにくいかもしれませんけど、過去の過ちを顧みて自ら辞めたわけではないので。またどこかで同じようなことをするかもしれないと思うと、なんともやり切れない気持ちです。

本連載では、お話を聞かせてくださる、ハラスメント被害者の方を募集しています。パワハラ、セクハラ、モラハラ、アカハラ……など種別は問いません。応募はこちらからお願いします。(ヤフーニュースなど外部サイトの方は、お手数ですが東洋経済オンラインをご覧ください)
ヒラギノ 游ゴ ライター/編集者

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ひらぎの・ゆうご / Yugo Hiragino

ライター/編集者。

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