高尿酸血症をもたらす2大原因が、「アルコール摂取」と「メタボリックシンドローム(メタボ)」だ。
まず、アルコールに関してだが、尿酸値を上げるのはビールだけではない。アルコールが代謝される際に必要となる物質(ATP)は、分解されるときに尿酸を作り出す。つまりアルコール自体に含まれるプリン体による尿酸に、代謝される際に作られる尿酸がプラスされ、尿酸値を上げてしまうのだ。
また、アルコールが体内で分解されるときに作られるアセトアルデヒドは、腎臓から尿酸を排泄する働きを弱めてしまうこともわかっている。
もう1つの問題は、一緒に食べるツマミ。酒のツマミになりやすい料理にはプリン体をたくさん含むものが多い。結果的に多くのプリン体を摂取し、尿酸を溜め込んでしまう。
また、メタボの人の多くは高尿酸血症を合併していることが知られている。メタボのお腹の原因である内臓脂肪は、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)のためインスリンが過剰に分泌されて高インスリン血症となりやすい。これが尿酸の排泄をさまたげてしまう。さらに、インスリンが効きにくくなると、肝臓での尿酸の産生を活性化することもわかっている。
メタボというだけで、尿酸が排泄されにくく、溜めやすい状態を作り出してしまっているのだ。
体重を落とすことが大切
では、尿酸値を下げるためには、どうしたらいいか。
まず飲酒に関しては、男性は1日あたりにビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、缶チューハイならロング缶1缶(純アルコール換算で20g)が目安、女性ではその半分~3分の2程度の量が勧められる。
次に、メタボの人は体重を落とすこと。とくにお腹まわりだけに脂肪が付いた内臓脂肪型の肥満、いわゆるぽっこりお腹の人は、減量することで尿酸値はかなり改善する。そのためには、食事の総エネルギー量を減らすことが重要になる。
プリン体の含有量を減らした特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に頼る人もいるが、それよりも摂取エネルギー量を減らすことが先決だ。休憩中に飲む有糖の缶コーヒー、小腹が空いたときに口にする菓子類など、意外と気付かないうちにカロリーを取っているケースもあるので、気を付けたい。
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