運動で体重を落とす場合は、有酸素運動をメインに取り組みたい。筋トレのような息が上がる激しいトレーニングをすると、尿酸が溜まりやすいことがわかっている。
こうした対策をとっても尿酸値が下がらない人に行われるのが、薬物療法だ。
「尿酸値が上がる原因は、生産と排泄のバランスが崩れることなので、薬に関しても『尿酸の産生を抑制するもの』と『尿酸の排泄を促進するもの』があり、その人のタイプによって使い分けることがあります」(小島さん)
尿酸値を下げるために薬を使うことは必要だが、なかには、こうした薬を”お守り代わり”に暴飲暴食する人も存在するようだ。
「高尿酸血症の治療の基本は生活習慣の改善であり、とくにメタボの人は減量です。薬を使う際も、医師の指導のもとで正しく服用することが大事です。このほか、尿酸は尿と一緒に排出されるので、水分も多めに摂ったほうがいいでしょう。心不全などで水分摂取を制限されている人を除いては、1日に2リットル以上の水分を摂るようにしましょう」(小島さん)
臨床試験「FREED研究」の結果は?
高尿酸血症は痛風のリスクになるだけでなく、さまざまな命に関わる病気と関係していることがわかっている。尿酸値を正常化することで痛風だけでなく、心不全や動脈硬化、腎機能障害などのリスクが下がる可能性がある。
2018年8月、ミュンヘン(ドイツ)で行われたヨーロッパ心臓病学会で、尿酸の産生を抑制する高尿酸血症治療薬フェブキソスタットを用いた臨床試験(多施設共同ランダム化比較試験)「FREED研究」の結果が報告された。小島さんは、FREEDの研究責任者だ。
この研究では、高血圧や糖尿病などの合併症がある高齢者約1000人の高尿酸血症患者を、フェブキソスタットによる治療を受けるグループ(フェブキソスタット投与群)とフェブキソスタットによる治療は受けず生活習慣の改善を行うグループ(フェブキソスタット非投与群)の2群にランダムに分け、3年間追跡した。
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