その結果、投与群は非投与群に比べて、明らかに死亡、心筋梗塞や脳梗塞や心不全といった循環器系の疾患、腎障害など(脳心腎血管関連イベント)が少なかった。
さらに、小島さんは今年3月に開催された第86回日本循環器学会で、先のFREED研究のサブ解析結果を報告した。
「とくにフェブキソスタット投与群では、死亡や脳心腎血管関連イベントが最も少なかった〝至適尿酸値〟は、4〜5mg/dLで、尿酸値4~5mg/dLより高くても低くても、明らかにイベントが増えていました。ただ、この数値は合併症を持つ高齢者を対象にしていますので、すべての人に当てはまるかどうかはまだわかりません。今後の検討課題です」(小島さん)
適正なコントロールを
いずれにせよ自身の尿酸値を知って、適正にコントロールすることが今後の健康を保つカギとなる。健康診断で高尿酸血症と指摘されている人は、一病息災のチャンスだと思って尿酸値と向き合ってみたらどうだろうか。
(執筆:ライター・佐々木由/編集部・山内リカ)
桜十字八代リハビリテーション病院副院長・熊本大学客員教授
小島淳医師
小島淳医師
1993年、熊本大学医学部医学科卒。同大医学部附属病院循環器内科、熊本市民病院内科、熊本地域医療センター医師会病院内科、済生会熊本病院心臓血管センター内科、国立循環器病センター内科心臓血管部門、熊本大学医学部附属病院救急外来、川﨑医科大学総合内科学3教室などを経て現職。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本痛風・尿酸核酸学会認定痛風医、一般社団法人くまもとハートの会代表理事など。
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