「超"謝罪"大国・韓国」、日本と選挙で比較してみた 「泣いて"謝る"日本人」と「泣いて"怒る"韓国人」

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実際のところ「あなたが悪いわけではない」と思ってもらえる場面では、「自分は悪くないのに頭を下げた」と思ってもらいたいから、あえて謝るという人もいるようだ。

それにしても「公的な場で、大の大人が涙を流して謝っている」というのは世界的に珍しい。とくに感情を表に出さない武士道・相撲文化の日本では、なおさら不思議である。

しかし日本では「本気で謝っている」ことを示すための謝罪には、多少嘘くさくても涙がつきものなのだ。

日本では「感謝」、韓国では「謝罪」が重要

ここで覚えておきたいのは、日本人は(他国と比較すれば)比較的大げさに謝る人が多いので、その謝罪の気持ちは見た目より割り引いて捉えるのが正しいということだ。「ごめんなさい」と言っているからといって、本当に自分が悪いと思っているわけではないことが多いのである。

逆に韓国人は大げさに怒るので、その怒りの気持ちもディスカウントして考えるのが正しい。日本でテレビを見ていると韓国では「反日デモ」ばかりやっているような錯覚を覚えるが、実際は「反米デモ」「反中デモ」「反北朝鮮デモ」そしてそれ以上に「反政権デモ」と、いろいろなデモが韓国では年中行われているのである。

しかもこれらのデモは、決して危険な状況にはならない。これは100万人規模の大規模デモがあっても、一部の限られた場所で許可を取ってよく統制された状態で行われているので、暴力行為はほぼ一切起こらないのだ。

参加している人の大半は、怒りのパフォーマンスをするはずのデモでも、笑いながら参加している人が多い。デモが終われば、というより終わる前から歌やダンスがにぎやかに繰り広げられ、もはやお祭りの一歩手前みたいなデモも多いのだ。

テレビカメラで一部を切り取れば激怒しているように見えるかもしれない。しかし、実際は「健康のためのコミュニティ活動」のようなノリでデモに参加している人も多いというのが実態である。

今回は、両国の感情表現に関する文化の違いを、新著『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』から一部抜粋して紹介した。

前回の記事とあわせて、日本人がいかに「感謝」を重視しているか、そしていかに韓国人は「謝罪」を重視するのか、その違いについて理解が進む一助になれば幸いである(そういえば今回の選挙でも、日本の参院選では候補者が支持者に「いつもありがとうございます!」を連呼していたが、韓国の選挙では支持者への「ごめんなさい」が連発されていたのであった)。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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