明石市「9年連続人口増」実現した子育て民主主義 泉市長「子どもを増やすには商人を儲けさせよ」

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──国やほかの市区町村も少子化対策をやっていますが、なかなか数字につながりません。

キーワードは「継続的な安心」。一時的に札束でほっぺたをひっぱたく政策ではないということ。ほかの自治体がやっている子育て支援や人口流入策でいちばん間違っているのは、一時の現金を給付することだ。

よく誤解されるが、明石は現金給付をほぼやっていない。「5つの無料化」は医療費や保育料、給食費はいりません、おむつは届けるし、遊び場はタダという現物給付。市民の皆さんから預かっている税金、保険料でやっている。せこい所得制限もない。

「大家族としての明石市」

もしものときには、子ども食堂や預かり保育の施設で市が子どもを預かって、おじさん、おばさん代わりをする。「大家族としての明石市」という安心感があるから、子育て層が引っ越してきて2人目、3人目を産んで出生率が上がる。

2020年からは中学校の給食費を無料化した(写真:明石市)

──継続的な施策には予算が必要です。泉市長は、主に土木費を削減して財源を捻出しました。

市長になる前と比べて、3~4割土木費を減らし、子ども予算を倍増させた。もちろん今も抵抗はある。公共事業で生活されている業者や政治家もいる。

これもよく誤解されるが、日本社会もかつては人口増で道路や河川敷のインフラ整備が必要だった。でも今は大部分が整備されて補修・改修の時代。明石は時代の状況に合わせた予算を出している。

世界の主要国と比べて、日本はGDP(国内総生産)対比の子ども予算が半分なのに、公共事業には倍もかけている。道路、橋に金を使って子どもが泣いている異常な状況だ。

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