「若者の邪魔」をしてはいけない人口減少社会 年長者は「仕方ねぇなぁ」と待ち続けるしかない

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奈良県東吉野村にある人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」に鎮座する館長猫の「かぼす」(撮影:青木海青子)
1000兆円を超える借金、格差の拡大、社会的孤立の進行。「人口減少」を続ける日本は、これらの問題にどのような処方箋を用意すべきか。そして、どうすれば生き残ることができるのか。著書『人口減少社会のデザイン』で広井良典氏は、「2050年日本」の持続可能性を論じている。
奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を運営する『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』著者・青木真兵氏が、同書を読み解く。

社会を降りられないことへの息苦しさ

今、ぼくたちは、人口が減っていく社会を生きています。

例えば、ぼくたちの暮らす奈良県東吉野村は人口約1700人、高齢化率56%、つまり2人に1人以上が65歳以上の山村です。山村での暮らしはさまざまな点で都市とは違うのですが、その1つに人口密度があります。

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村の成り立ちに由来する地縁・血縁コミュニティーの「息苦しさ」も非常にわかるので、人口密度だけで一概に都市と村を比較することはできません。でもぼくたちは都市での暮らしに息苦しさを感じ、山村に越したことでそれはだいぶ緩和したのです。とくにぼくたちは集落からポツンと離れたところに住んでいるので余計なのですが、「息のしやすさ」を感じています。

ぼくたちが感じていた都市での息苦しさは、あえて単純化すると人口が過密だったことに由来するのではないか。そんなふうに感じています。人口過密な社会では限られた仕事をめぐって就職活動が行われ、人より優れたキャリアを目指して苛烈な競争が行われています。

つまり他人に勝つか負けるかという競争原理が社会の中心に据えられ、この世に生まれついたからにはそのゲームに参加すること自体が前提とされている。「いや、そもそも参加したくなくて」という言葉は許されない。ぼくたちは社会を降りられないことへの息苦しさを感じていたのだと思います。

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