明石市「9年連続人口増」実現した子育て民主主義 泉市長「子どもを増やすには商人を儲けさせよ」

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──ほかの自治体や国でも明石市と同じことはできますか?

当然できる。去年ぐらいから兵庫県内の周りの自治体が一気に明石のまねをしてくれるようになった。一例を挙げれば18歳まで親の所得制限なしでの医療費無料化。「こんな金のかかることはできるわけがない」と言われていたのに、加古川市や播磨町など10を超える自治体が一気に方針転換しはった。

ほんまは国だって「日本がやばい」と思えばできること。首相が腹をくくったら簡単ですわ。「防衛費を倍にする」と言うなら、子ども予算でもできるからね。

「明石だけハッピーになろうなんて一度も思ったことがない」と話す泉市長(撮影:ヒラオカスタジオ)

──国と自治体の役割をどう切り分けて考えていますか。

継続的なセーフティーネットは、本来お金を持っている国がやるべきこと。今は逆転現象が起きている。国が一時のばらまき施策をやって、市町村が医療費無料化のような継続施策をやっている状況。

ベーシックサービスとしての医療、保育、給食、教育の費用は国家が責任を持って財政支援すべきで、市町村は本来もっと身近な困っている子どもに対して手を差し伸べるとか、そういう寄り添い型の施策を行うのに向いている。

シルバー民主主義が替わった

──国政に戻ろうという考えは?

私は市長だから持ちこたえている。選挙で直接トップが選ばれるからだ。3年前に例の「暴言問題」があって全国的にはびっくりされたと思うが、あの直後の選挙で7割の得票率で再選している。子育て層の30代の得票率に至っては9割だ。シルバー民主主義が子育て層の民主主義に替わったと思った。

日本が大統領制だったら目指したかもしれないが、議院内閣制の首相に、こんなキャラで派閥をつくって担がれるわけがない。大統領的な市長であれば、選挙で通って街を大胆に変えられる。

明石でやったことは国の制度の参考にしていただきたい。国が動けば、明石は浮いた予算でさらに支援策を打ち出せる。そのために事例をしっかりと示して説明していくつもりだ。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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