新型ステップワゴンに見るホンダの福祉への姿勢 ノア&ヴォクシーやセレナと決定的に違う思想

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新型ステップワゴン車いす仕様車は、テーゲート下部の形状が異なる(東洋経済オンライン編集部撮影)
新型ステップワゴン車いす仕様車は、テーゲート下部の形状が異なる(東洋経済オンライン編集部撮影)

このように車いす仕様車の仕様については、各メーカーの考え方や顧客層の違いなどで、装備にも違いがあるようだ。とくにステップワゴン車いす仕様車は、あくまでファミリー層を中心とした個人ユーザーがメインターゲットであることで、ノア&ヴォクシーやセレナとは異なる作り込みがなされているといえよう。

サイドリフトアップシート車について

サイドリフトアップシート車(東洋経済オンライン編集部撮影)
サイドリフトアップシート車(東洋経済オンライン編集部撮影)
シートにはステップも装着されている(東洋経済オンライン編集部撮影)
シートにはステップも装着されている(東洋経済オンライン編集部撮影)

最後に新型ステップワゴンに設定されたもうひとつの福祉車両、サイドリフトアップシート車についても少し触れておこう。ベース車は、これも先に紹介したとおり、パワーテールゲートが付いたスパーダで、スライドドアを開け、2列目の助手席側シートを電動で自動昇降させることで、乗降をサポートする仕様だ。

とくに車高が高いミニバンの場合は、車いすまでは普段使わなくても、足腰が弱った高齢者や障がいで足が不自由な人などが、2列目シートに乗る際にはかなり苦労する。サイドリフトアップシート車は、そうしたユーザー層の利便性を考慮していることが特徴だといえる。

電動シートの昇降を体験する筆者 (東洋経済オンライン編集部撮影)
電動シートの昇降を体験する筆者 (東洋経済オンライン編集部撮影)

今回の取材時、筆者も実際に電動シートの昇降を体験したが、かなりゆっくりとシートが動くため、高齢者などでもそれほど怖さなどは感じないだろう。シートにはステップも装備されているため、移動時の安定感も良好だ。また、シート自体のすわり心地も快適なので、車両の移動中もかなり楽であることが予想できる。なお、ラインナップは車いす仕様車と同様にガソリン車のみで、2WD(FF)と4WDを用意。価格(税込み)は339万6000円~363万6000円だ。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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