新型ステップワゴンに見るホンダの福祉への姿勢 ノア&ヴォクシーやセレナと決定的に違う思想
一方の3列目乗車タイプでは、サイドウインドウのベルトライン(サイドウインドウの下端)を水平にするなど、新型の改良点を活かすことで、車いす乗車時も良好な前方視界を確保することが特徴だ。また、先代から継承された3列目シートの床下格納機構により、車いす乗員や橫のシートに着座した介護者などが、車体側方の景色をじっくりと眺めることもできる。
トヨタのノア&ヴォクシー、日産のセレナといった他メーカーの車いす仕様車では、3列目シートは左右に跳ね上げるタイプのため、3列目のサイドウインドウはノア&ヴォクシーではほぼ見えなくなる。また、設置位置が低いセレナの場合も、すべては見えず若干隠れてしまう。福祉車両でも、乗員に良好な視界を提供するという点では、ステップワゴンの方に強みがあるといえるだろう。
2列目&3列目乗車タイプは、2台の車いすを乗車できる仕様だ。特別支援学校などに通う子どもと、その友人などを車いすのまま乗せることなどを想定している。車いすは、2列目と3列目のそれぞれ助手席側に固定でき、いずれも橫のシートに介護者などが座ることも可能だ。また、車いすを1台しか乗車させない場合は、2列目、3列目のいずれかの車いすスペースを選ぶこともでき、やはり隣に介護者などの着座もできる。なお、乗車定員は、3列目乗車タイプが車いす無乗車時7名、利用時6名、2列目&3列目乗車タイプは車いす無乗車時6名、利用時は7名だ。
トヨタ・ノア&ヴォクシー、セレナとの違い
今度は、トヨタ・ノア&ヴォクシー、日産・セレナという、ステップワゴンの競合となる他社ミドルサイズミニバンの車いす仕様車と比較してみよう。ノア&ヴォクシー、セレナの車いす仕様車は、いずれもステップワゴン以上に豊富なラインナップをそろえることも特徴だ。
例えば、ノア&ヴォクシーでは、ステップワゴンが設定する3タイプがいずれも2列目は2人がけシート仕様なのに対し、3列目スペースに車いすが乗車できる「タイプⅡ」では、3人がけの2列目ベンチシート仕様も設定。さらに、この仕様には、車いす無乗車時8名、利用時6名の「サードシート付」と、車いす無乗車時5名、利用時6名の「サードシート無」(ノアのみ)がある。加えて、サードシート付には、助手席が自動で昇降するリフトアップチルトシートを装備した仕様も用意されている。
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