新型ステップワゴンに見るホンダの福祉への姿勢 ノア&ヴォクシーやセレナと決定的に違う思想

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新型ステップワゴン車いす仕様車の電動ウインチ(東洋経済オンライン編集部撮影)
新型ステップワゴン車いす仕様車の電動ウインチ(東洋経済オンライン編集部撮影)

また、介助者が必要とする力もより大きくなるし、乗降をアシストする電動ウインチを装備している場合も、車いすの引き上げや降ろす際にかなりのパワーが必要となる。スロープ自体を長くすることで、角度を緩やかにする手もあるが、あまり長いと乗降場所にかなりのスペースが必要となる。そうなると、駐車場や施設のエントランスなど、場所によってはスロープが展開できないケースも出てくる。

そこで、ノア&ヴォクシーやセレナでは、リア側の車高調整機能を採用する。これにより、ノア&ヴォクシーでは、スロープの突出長が1375mmで、角度は9.5度。セレナの場合は、スロープの突出長が1455mmで、角度は10度だ。なお、スロープ幅はどちらも750mmとなっている。

車高調整機能よりも乗り心地を優先

実際に車いすで乗車した状態(東洋経済オンライン編集部撮影)
実際に車いすで乗車した状態(東洋経済オンライン編集部撮影)

対するステップワゴン車いす仕様車は、車高調整機能を採用しない。スロープの突出長は前述のように1755mmで、角度は14度。ノア&ヴォクシー、セレナと比べ、スロープを展開したときの突出長は長く、角度も一番きつい。ホンダの開発担当者によれば、車高調整機構を採用しない理由は、「乗り心地を重視している」ためだという。車高調整が可能なエア式や油圧式のサスペンションは、乗降時のスロープ突出長や角度について確かにメリットはある。だが、走行中は「一般的なサスペンションほど快適性が担保できない」ことが採用しない理由だ。

新型のステップワゴン車いす仕様車では、スロープの角度をできるだけ緩やかにするために、テールゲート開口部を工夫することで、スロープが設置される吐き出し口と地面の高さを44.5cmに設定。ベース車両などが53cmなのに対し、8.5mm低くしている。また、電動ウインチは、ノア&ヴォクシーがオプション設定なのに対し、ステップワゴンやセレナは標準装備となっている。スロープ突出長や角度も踏まえると、車いす乗降時の利便性などに関していえば、競合モデル中ではセレナが最も高いレベルであることがうかがえる。

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