「みんゴル」1000万DLで考えるリアルとの相乗効果 ゴルフの潜在層はかなり多い可能性がある

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代表して感想を話した女子生徒は「ゴルフは知らなかったけど、将来ここに来てゴルフをやりたいと思った。コロナでいろいろなことが中止になって我慢してきたけど、こんな楽しいことができてよかった」と言う。

また男子生徒は「コロナでなかなかみんなとできない中で、やれてよかった。芝の上というのはあまりない体験だった。将来家族とゴルフをやってみたいと思いました」と話している。

小学生なりの外交辞令もあるかもしれないが、ゴルフ場という未知の世界に踏み込んだのはいい経験だったようだ。コロナ禍という特殊な状況で生まれた企画だが、子供たちのゴルフ場体験は仲間との思い出とともにずっと残るはずなので、「将来のゴルファー」になる可能性もある。

ゴルフ界は日常に戻ってからが勝負

5月になってから東京駅で子供たちの集団を見る機会が多くなった。修学旅行実施が通常に戻ったのだろう。知り合いに聞くと、小学校の運動会も元通りに行われるようになったという。日常を取り戻しつつあるが、子供たちへのこうしたアプローチは、やろうと思えばどこのゴルフ場でもできることでもある。

「コロナバブル」ともいわれて練習場やゴルフ場がコロナ禍で盛況だったゴルフ界は、日常が戻ってからが勝負でもある。ゲームにしろ、遊びにしろ、ゴルフを、ゴルフ場を、知っている人たちはたくさんいる。「ゴルフへの入り口」は、至るところにありそうだ。

大事なのは「遊び」を始まりにしたいということだ。ゴルフ自体ももともとはスコットランドの羊飼いの遊びが発祥ともされている。遊びでまかれた種を見逃さずに、リアルゴルフに呼び込みたい。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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