小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態

あれから息子は学校にも行けなくなった

バスケチームでの暴力指導で学校に行けなくなった小学生。いったい何が起きたのでしょうか(写真:iStock/Wavebreakmedia)

「バスケットさえやらせなかったら……」

首都圏に住む40代の男性会社員は、後悔し続けている。

男性の長男(以下、A君)は昨夏、家でバッタリ倒れた。以来、小学校へはほぼ行けないまま卒業した。不安で夜も眠れない。睡眠障害がひどかった。

成績優秀。真面目でスポーツも得意な子がここまで不調をきたした原因は、ミニバスケットボールクラブでのパワーハラスメントだと男性は考えている。

A君は、20代の若いコーチから足で蹴られたり、胸や腹をこぶしで突くなど暴力を受けていた。試合中、対戦相手と仲間がプレーするなか「おまえはシャトルランやってろ!」と命じられ、ひとりコートをダッシュで往復させられた。試合の応援に来た男性と長男に駆け寄り、「このままじゃポジションなくすぞ!」と怒鳴られたこともあったという。

練習試合が「1日5試合」の過酷

活動の中身は小学生への指導とは思えないハードなもの。練習試合を1日に5試合やり、試合の間は持久走を命じられた。日本バスケットボール協会(以下JBA)が示す【日本ミニ連加盟規定についての方針(確認)】(2019/2/19 版より)の「ねらい」に掲げた「子どもたちにミニバスケットボールの楽しさを十分に味わわせること」とは、大きくかけ離れたものだった。

「倒れた当初は、学校にもミニバスの練習にも無理に行かなくていいよと見守っていましたが、そうは言ってもそのうち学校にもバスケットも行きだすだろうと高を括っていました。でも、このままでは命が危ないと気づきました」

わずか12歳の男の子に、希死念慮の症状が現われたのだ。

「お父さんはどんな死に方がいい?」

真剣な眼でA君に尋ねられた男性は「考えたことないなあ」と返したものの、(これは希死念慮かも)と大きな不安を感じた。

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