中国EV大手「BYD」、テスラに車載電池を供給へ CATL、LG、パナに続く4社目のサプライヤーに

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BYDはもともと電池メーカーとして創業し、後に自動車に参入した異色の企業だ。写真は同社製の車載電池モジュール(同社ウェブサイトより)

中国のEV(電気自動車)大手の比亜迪(BYD)が、自社製の車載電池を(EV世界最大手の)アメリカのテスラに供給することがわかった。BYD副総裁(副社長に相当)で同社の自動車エンジニアリング研究所のトップを務める廉玉波氏が6月8日、国営テレビ局の中国国際電視台(CGTN)の取材に応じて事実を認めた。

BYDがテスラに車載電池を供給するという噂は以前から流れていたが、それが初めて公に確認された格好だ。

もともとBYDは電池メーカーとして創業し、後に自動車に参入した。かつては自社製の車載電池を自社ブランドのEVにだけ搭載していたが、2020年に戦略を転換。電池部門を統合して専業子会社の弗迪電池を設立し、車載電池の外販に乗り出した。しかしこれまで、弗迪電池の具体的な顧客名はほとんど明かされてこなかった。

一方のテスラは、現時点では中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、韓国のLGエナジーソリューション、日本のパナソニックの3社から車載電池を調達している。CATLの2021年の決算報告書によれば、同社のテスラ向けの売上高は130億元(約2585億円)に上り、総売上高の10%を占める。

生産能力を全力で増強

弗迪電池の顧客リストにテスラが加われば、BYDにとって車載電池の市場シェア拡大に有利なのは間違いない。ただし現時点では、BYDは(テスラとの合意内容や供給量など)具体的な情報を一切開示していない。

BYDは目下、車載電池の生産能力を全力で増強中だ。2021年は山東省済南市、安徽省無為市、江蘇省塩城市など8カ所で工場の立ち上げに着手し、合計の計画生産能力は205GWh(ギガワット時)に達する。

本記事は「財新」の提供記事です

2022年に入ってからは湖北省襄陽市、吉林省長春市など、さらに4カ所の工場建設を開始した。それらの計画生産能力は合計172GWhに上る。

近い将来、BYDは弗迪電池を単独で上場させるもくろみだ。1年余り前の2021年4月、BYDは弗迪電池の株式公開について「今後1~2年の間に必ず実現させる」とコメントしていた。

(財新記者:黄栄)
※原文の配信は6月8日

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